【法改正情報】「労働条件の通知方法」と労務に関する最近の動きについて

【法改正情報】「労働条件の通知方法」と労務に関する最近の動きについて

おはようございます。

社会保険労務士事務所プロセスコアの木下です。

 

気持ちのいい秋風が吹き渡るころとなりました。

朝夕は少し肌寒いくらいですが、季節の変わり目は

何かと体調を崩しやすい時期ですので、

皆様、体調管理にはどうぞご留意下さい。

 

さて、今回のメールマガジンでは、労働条件の

通知方法についての法改正情報をご紹介します。

 

先日、厚生労働省が、労働条件の通知方法を、

書面だけでなく電子メール等でも可能にすると

報じられました。労働基準法に基づく省令を

改正し、2019年4月から適用する方針です。

 

労働条件の通知書は、労働契約を交わす際

(従業員を採用する際)に使用者が労働者に

提示することが労働基準法に規定されています。

提示方法については「事項が明らかとなる書面」

とされており、違反すれば罰則もあります。

 

今回の改正の具体的な変更点としては、

労働者が希望した場合には、

①ファクシミリの送信

②電子メール等の送信(労働者が電子メール等

の記録を出力することにより書面を作成するこ

とができるものに限る。)

 

により明示することが可能、というものです。

 

希望した労働者だけに限った措置とし、

労働者が電子メール等での受け取りを拒む場合には、

これまで通り書面で交付する必要があります。

 

労働者が希望したとき、および、出力(印刷)

できるとき、というポイントはありますが

トラブル防止のためにも明示の方法の選択肢

として検討してもよいかも知れません。

 

 

○●○最近の動き(Topics)━━━━●○●

1. 就活ルール 現在の大学2年生について

    は従来ルールを維持(10月16日)

2. 介護事業所の認証制度が始まる(10月15日)

3. 外国人労働者の永住が可能に(10月11日)

  「就活ルール」撤廃へ 経団連(10月10日)

4. 電子メール等による労働条件通知書交付

    が可能に(10月8日)

5. 休み方改革で中小企業に補助(10月5日)

6. 65歳以上雇用へ法改正(10月5日)

7. 新在留資格 大幅拡大へ(9月29日)

8. 女性就業率初めて7割超(9月28日)

9. 外国人就労 企業向け指導・相談体制

    強化へ(9月27日)

10. 地方の中小企業を対象に最低賃金上げで

   助成金増額へ(9月17日)

11. 安倍首相「70歳超の年金受給選択」3年

   で制度改正を表明(9月16日

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1. 就活ルール 現在の大学2年生について

    は従来ルールを維持(10月16日)

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15日、政府は2021年春入社の学生(現在大学

2年生)の就職活動時期の新ルールに関して、

現行日程(3年生の3月に説明会解禁、4年生

6月に面接解禁)を維持することで大筋一致

した。現在大学1年生以降のルールについて

の検討は来年以降になるとみられる。9日に

経団連が、2021年春入社組から「就活ルール」

(採用指針)を撤廃することを決定していた。

 

 

2. 介護事業所の認証制度が始まる(10月15日)

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厚生労働省は、介護事業所の人手不足対策と

して、研修や休暇制度など働きやすさに焦点

を当てた認証制度を始める。「明確な給与・昇

級体系の導入」「休暇取得や育児・介護との両

立支援」などの項目を設定して介護事業所を

評価・認証する。今年度中にガイドラインを策

定し、来年度以降、全国の都道府県での実施を

目指す。

 

 

3. 外国人労働者の永住が可能に(10月11日)

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外国人労働者の受入れ拡大のため、政府は新

たに2種類の在留資格「特定技能1号、2号」

(仮称)を設け、来年4月の導入を目指す。

技能実習生(在留期間最長5年)が日本語と

技能の試験の両方に合格すれば「特定技能1

号」の資格を得られる。在留期間は最長5年

で、家族の帯同は認められない。さらに難しい

試験に合格すれば「特定技能2号」の資格を

得られ、家族の帯同や永住も可能となる。

 

 

4. 「就活ルール」撤廃へ 経団連(10月10日)

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経団連は、2021年春入社組から「就活ルール」

(採用指針)を撤廃することを決定した。これ

を受け、政府は採用日程などを協議する関係

省庁連絡会議を設けることを発表。早ければ

10月中にも結論が出る。また、内閣府と文部

科学省の調査から、就活ルールを守っていな

い企業が62.4%(前年比3%増)あったこと

がわかった。

 

 

5. 電子メール等による労働条件通知書交付

    が可能に(10月8日)

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労働者への労働条件通知書について、従来の

書面による交付に代えて電子メールやファク

スなどによる交付が可能になる。労働基準法

施行規則改正により来年4月から適用。電子

メール等による受取りを希望した労働者に限

られ、印刷してそのまま書面化できるものに

限られる。労働者が電子メール等での受取り

を希望しない場合は、これまでどおり書面で

交付しなければならない。

 

 

6. 休み方改革で中小企業に補助(10月5日)

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厚生労働省は中小企業の休み方改革を後押し

するため、ボランティアや病気療養などを目

的とした特別休暇制度を導入する中小企業を

支援する。就業規則に特別休暇の規定を盛り

込み、実際に残業時間が月平均で5時間減っ

た場合に最大で100万円を助成する。2019年

4月から実施する。

 

 

7. 65歳以上雇用へ法改正(10月5日)

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政府は、現在65歳までの雇用確保措置が義務

となっている継続雇用年齢を、65歳以上に引

き上げる法改正を検討する。どの程度、企業に

強制力がある制度にするかは今後詰める。政

府は70歳を超えてから公的年金の受給を開始

できる制度改正も検討しており、年金と雇用

の両面から高齢者が活躍できる仕組みを作る

方針だ。

 

 

8. 新在留資格 大幅拡大へ(9月29日)

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外国人労働者の新たな在留資格として14業種

が候補に挙がっており、政府は、その中から十

数業種を対象とする方針であることが明らか

になった。当初は、5業種としていたが対象を

拡大する。来年4月の導入に向け、秋の臨時国

会に出入国管理法改正案等を提出する予定。

候補業種は、農業/介護/飲食料品製造業/

建設/造船・舶用工業/宿泊/外食/漁業/

ビルクリーニング/素形材産業/産業機械製

造/電子・電気機器関連産業/自動車整備/

航空。

 

 

9. 女性就業率初めて7割超(9月28日)

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総務省の労働力調査で15~64歳の女性の就業

率が前年同月より2.1ポイント高い70.0%と

なり、比較可能な1968年以来初めて7割とな

った。男性の就業率は83.9%で、男女合わせ

た就業率は77.0%と過去最高だった。

 

 

10.  外国人就労 企業向け指導・相談体制

    強化へ(9月27日)

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厚生労働省は、来年4月から在留資格が広が

る(農業や介護、建設などの業種で、一定の技

能や日本語能力を持つ外国人に最長5年の在

留資格を認める)ことに伴い、新たな在留資格

を得た外国人を受け入れる企業向けの指導・

相談体制を強化する。企業を巡回する指導員

や職業相談員約170人を全国の拠点に配置す

るなどし、外国人が働きやすい環境整備を目

指す。

 

 

11. 地方の中小企業を対象に最低賃金上げで

    助成金増額へ(9月17日)

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厚労省は、企業が最低賃金を引き上げた場合

に労働者数に応じて助成する「業務改善助成

金」の見直しを行う。現在は、最低賃金を30

円以上引き上げた場合、すべての都道府県で

一律に50~100万円を助成しているが、2019

年度に最低賃金が800円未満の地方企業につ

いては、最大170万円に増やす。最低賃金が

低い地域の底上げがねらい。

 

 

12. 安倍首相「70歳超の年金受給選択」3年

   で制度改正を表明(9月16日)

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安倍首相が、14日の自民党総裁選の討論会で、

年金の受給開始年齢が70歳を超える選択もで

きる制度改正について、「3年で断行したい」

と表明した。厚労省も同日の社会保障審議会

の部会で選択できる年齢幅の拡大を論点の1

つに提示。2020年にも制度改正の法案を国会

に提出する方針。

 

 

最後までお読み頂き、ありがとうございました。