「70歳までの就業機会確保」と労務に関する最近の動きについて

「70歳までの就業機会確保」と労務に関する最近の動きについて

おはようございます。

社会保険労務士事務所プロセスコアの木下です。

 

 今年の梅雨は雨が少なく、それはそれで心配

をしておりましたが、これから雨の日が続く

予報で梅雨らしい梅雨になりそうです。

皆様、体調管理にどうぞお気を付け下さい。

 

 

 さて、今回のメールマガジンは、最近の動き

のトピックにもあります「継続雇用年齢70歳へ

引き上げ」について取り上げたいと思います。

 

 

 先日、2019年の骨太の方針が閣議決定され、

人事労務関係では、「新たな外国人材の受入れ」

「最低賃金の引上げ」などの項目が掲げられ

ました。 

 

 

 中でも、影響が大きいと思われるのが「70

歳までの就業機会確保」という項目です。

早ければ2021年4月にも努力義務化される見

込みです。

 

 

 併せて検討されているのが、在職老齢年金

制度の見直し(廃止の方向性)や、年金受給

開始の時期について、70歳以降も選択できる

よう、範囲の拡大も行われる予定です。

(現在は60歳から70歳まで選択可能となって

います。)

 

 

 具体的な決定はこれからですが、労働力人

口の減少による人材不足、そして人生100年

時代への対応に向け、高齢者の就労環境が大

きく変わっていくこととなり、企業において

も、70歳までの就業機会確保を見据えた取組

みが必要になってくるかと 思われます。

 

 

 こういった取組みを行う場合に活用できる

「65歳超雇用推進助成金」があります。こち

らは、定年の引き上げや66歳以上の継続雇用

制度の導入等を行った場合に、事業主に対し

て助成されるものです。 支給要件に、60歳以

上の雇用保険被保険者が1名いることなどが

あります。

 

 

 定年引き上げや継続雇用制度の導入等

ご検討される際は、弊所または弊所担当

スタフまでどうぞご相談下さい。

 

 

○●○最近の動き(Topics)━━━━━━━●○●

1. 外国人材採用へ中小300社支援(6月17日)

2. 厚労省 「無期転換ルール」通知義務化等

  を検討(6月16日)

3. 教員の勤務時間 日本が最長(6月13日)

4. 未払い賃金請求、期限延長へ(6月12日)

5. 限定正社員の雇用条件明示、兼業・副業の

  労働時間通算見直しへ(6月7日)

6. 継続雇用年齢70歳へ引き上げ(6月6日)

7. マイナンバーカード 2022年度中に全国で

  健康保険証の代わりに(6月4日)

8. 就職氷河期世代の就業支援で助成金・職業

  訓練強化へ(5月30日)

9. 留学生の在留資格緩和 接客業など就職先

  広がる(5月29日)

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1. 外国人材採用へ中小300社支援(6月17日)

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政府は、2020年度に中堅・中小企業が外国人

材を採用しやすくする新たな枠組みをつくる。

全国300社を対象に、外国人材の労務管理の

ノウハウ指南や、在留資格の取得手続きを支

援する。企業と留学生のマッチングの場も設

け、外国人材向けの相談会も開催する。

 

 

2. 厚労省 「無期転換ルール」通知義務化等

  を検討(6月16日)

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厚生労働省は、改正労働契約法で2013年4月

から制度が始まった「無期転換ルール」につ

いて、権利発生直前に企業が雇止めをする問

題が起きていることを受け、対策に乗り出す。

今秋までに雇止めの実態調査の結果をとりま

とめ、対応策を検討する。企業側に対して、

無期転換の権利発生までに対象者に通知する

よう都道府県の労働局に通達を出して義務付

けることなどが軸となる。

 

 

3. 教員の勤務時間 日本が最長(6月13日)

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経済協力開発機構(OECD)の発表により、

日本の小中学校の教員の勤務時間が加盟国・

地域の中で最長であることが分かった。小学

校では週54.4時間、中学校では56.0時間でい

ずれも最長。教育委員会への報告書作りとい

った事務作業や部活動が事務負担になってい

た。文部科学省は「深刻に受け止める」とし

ている。

 

 

4. 未払い賃金請求、期限延長へ(6月12日)

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厚生労働省は、企業に残業代などの未払い賃

金を遡って請求できる期間を、現行の2年か

ら延長する方針を決定。来年施行の改正民法

で、債権消滅時効が原則5年となったことを

踏まえたもの。経営側からは企業負担増大を

懸念する意見があり、労使間の隔たりが課題。

具体的な延長期間は、今秋にも労働政策審議

会で議論される。

 

 

5. 限定正社員の雇用条件明示、兼業・副業

  の労働時間通算見直しへ(6月7日)

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政府は、職務や勤務地、労働時間を限定する

「限定正社員」の法整備を検討することを、

6日の規制改革推進会議で明らかにした。労

働契約の締結の際に、職務や勤務地を契約書

などで明示するよう義務付ける内容。同会議

では、ほかにも兼業・副業の推進に向けて労

働時間を通算する制度の見直しや、通算で1

日8時間以上働いた場合の割増賃金の支払い

義務を緩和するよう制度の変更も検討する。

近く閣議決定する規制改革実施計画で工程表

を示す。

 

 

6. 継続雇用年齢70歳へ引き上げ(6月6日)

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2019年の成長戦略素案が明らかになった。全

世代型社会保障、人口減少下での地方対策、

先端技術の活用が柱となっている。社会保障

改革では、継続雇用年齢の70歳への引き上げ

や再就職支援などが企業の努力義務となる。

法整備を来年の通常国会で行うとしている。

 

 

7. マイナンバーカード 2022年度中に全国

  で健康保険証の代わりに(6月4日)

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政府がマイナンバーカードの普及に向けた対

策を決定した。健康保険証として利用可能と

すること(2021年3月から)、医療費控除の

申請手続きの自動化(2021年分の確定申告か

ら)、カードを使った買い物にポイント還元

(2020年度から)、自治体職員が企業やハロ

ーワーク・学校・病院などに出向いての申請

の出張窓口を設置、などからなる。2022年度

中にはほとんどの住民が保有することを想定

し、今年8月をめどに具体的な工程表を公表

する予定。

 

 

8. 就職氷河期世代の就業支援で助成金・職

  業訓練強化へ(5月30日)

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厚生労働省は29日、「就職氷河期世代」であ

る30代半ば~40代半ばの世代が安定した仕事

に就くための就業支援策をまとめた。正社員

として雇った企業への助成金の拡充や企業や

自治体と連携しての職業訓練などを柱に、今

後3年間を集中的な支援期間として進める。

今夏にまとめる「骨太の方針」に盛り込む。

 

 

9. 留学生の在留資格緩和 接客業など就職

  先広がる(5月29日)

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法務省は、告示を改正して日本の大学や大学

院を卒業・修了した外国人留学生向けの在留

資格を緩和する。これまでは日本の大学を終

えた留学生が日本で就職する場合、システム

エンジニアや通訳など専門的な仕事に限られ

ていたが、在留資格の一つである「特定活動」

の対象を広げ、接客業や製造業などでも就職

できるようにする(今月30日施行)。

 

 

 

最後までお読み頂き、ありがとうございました。