助成金の生産性要件について
おはようございます。
社会保険労務士事務所プロセスコアの木下です。
朝夕は吹く風が肌に心地よかったのも束の間、
日中は少し汗ばむほどの季節となりました。
梅雨入り間近となり、この時期の晴れ間を
有効に活用したいものですね。
さて、今回のメールマガジンは
労働関係助成金の変更点を中心に
ご紹介したいと思います。
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■今回のテーマ
(1)【助成金情報】
労働関係助成金の生産性要件について
(2)労務に関する動きについて
・残業時間の上限規制について政労使提案が示される
(3月17日)
・正社員と非正規社員の待遇格差 企業の説明義務化へ
(3月17日)
・「AIで日本型雇用システム改革」経済産業省が方針
(2月13日)
・介護福祉士の出願数が半減(2月4日)
・外国人労働者が初めて100万人を突破(1月27日)
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(1) 【助成金情報】
労働関係助成金の生産性要件について
労働関係助成金の中には様々な内容のものが
ございますが主なものに
①キャリアアップ助成金
②人材開発支援助成金
③65歳超雇用推進助成金
等があります
中でも、キャリアアップ助成金は
業種を問わず活用しやすい助成金です。
キャリアアップ助成金とは、
有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者
といった、いわゆる非正規雇用労働者を
正社員等へ転換した場合に事業主に対して
助成する制度です。
その助成額が平成29年4月から変更され、
有期契約労働者→正社員へ転換した場合
→60万円から57万円(一人当たり)へ
減額となりました。
一方で、新たに「生産性要件」が設定され、
この要件を満たすと大幅に増額され
上記の57万円から72万円となります。
この生産性要件とは、
助成金の支給申請を行う直近の会計年度に
おける「生産性」が、その3年前に比べて
6%以上又は1%以上(6%未満)伸びて
いることとなっております。
※1%以上(6%未満)の場合は、労働局にて
市場での成長性、競争優位性、事業特性及び
経営資源・強み等を参考にして割増支給の
判断が行われます。
「生産性要件」は次の計算式によって計算します。
生産性=(営業利益+人件費+減価償却費+
動産・不動産賃借料+租税公課)
÷雇用保険被保険者数
具体的な計算方法としては、厚生労働省の
ホームページに掲載されている
「生産性要件算定シート」を使用し
該当する勘定科目の額を損益計算書や
総勘定元帳の各項目から転記することにより
算定できます。
「生産性要件算定シート」は下記より
ダウンロードできますので、ご参考下さい。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137393.html
今後労働力人口の減少が見込まれる中で
生産性向上の取り組みは不可欠になって
くると思われます。
生産性要件も視野に入れた取り組みを
ご検討されてはいかがでしょうか。
(2)労務に関する動きについて
働き方改革の実現に向けて、長時間労働の
是正や同一労働同一賃金等の議論が活発に
なってまいりました。また、労働・雇用環境
の変化により人工知能(AI)の活用について
も国が方針を示しております。
注目すべき内容について、過去分ではござい
ますが掲載させて頂きましたので一読頂けれ
ば幸いです。
- 残業時間の上限規制について政労使提案が示される
(3月17日)
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政府は「働き方改革実現会議(第9回)」を開き、
「時間外労働の上限規制等に関する政労使提案」
を示した。残業時間の上限規制について、原則
として月45時間かつ年360時間、臨時的な特別
の事情がある場合の特例として年720時間
(月平均60時間)などとし、違反に対しては
罰則を課すとした。また、勤務間インターバルに
ついては努力義務を課すとした。
〔関連リンク〕
時間外労働の上限規制等に関する政労使提案
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hatarakikata/dai9/siryou1.pdf
- 正社員と非正規社員の待遇格差 企業の説明義務化へ
(3月17日)
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政府の「働き方改革実現会議(第9回)」において、
3月中にまとめる「働き方改革実行計画」の骨子案
が示された。「同一労働同一賃金」の実現に向けた
関連法の改正案に、正社員と非正規社員との待遇
格差について、企業が労働者に対して説明する
義務が課されることなどが盛り込まれた。
〔関連リンク〕
働き方改革実行計画(骨子案)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hatarakikata/dai9/siryou2.pdf
- 「AIで日本型雇用システム改革」経済産業省が方針
(2月13日)
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経済産業省は、産業構造審議会(経済産業大臣の
諮問機関)で、人工知能(AI)を活用することに
より日本型雇用システムの改革に乗り出す方針を
示した。日本の労働・雇用環境の変化に対応し、
データに基づいて適切な人材採用や効果的な研修
実施を行うことを促すための方策案を取りまとめ、
4月末をめどに策定する新産業構造ビジョンに
盛り込む。
- 介護福祉士の出願数が半減
(2月4日)
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2016年度における介護福祉士の受験申込者数が
約7万9,000人となり、例年のおよそ半数に減少
したことがわかった。新たな受験資格として
「450時間の実務者研修」が加わったことが要因。
- 外国人労働者が初めて100万人を突破(1月27日)
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厚生労働省は、日本で働く外国人労働者の数
(昨年10月時点)が108万3,769人
(前年同期比19.4%増)となり、4年連続で増加し
たと発表した。100万人を超えたのは初めて。
業種別では製造業が33万8,535人(全体の31.2%)、
国別では中国が34万4,658人(同31.8%)で最多を占めた。
〔関連リンク〕
「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(平成28年10月末現在)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000148933.html
今回のメールマガジンは以上となります。
最後までお読み頂きありがとうございました。