社長、社員の顔見ていますか?

社長、社員の顔見ていますか?

経営者・管理者の為の労務管理・人材育成・ビジネススキルに関する1分セミナー

今回のテーマ
「日ごろから社員の顔をしっかり見てコミュニケーションをとることが
企業のメンタルヘルスの取り組みになる」

先日、定期購読している「労政時報」という人事労務管理の専門誌にメンタルヘルスの記事が特集されていました。

記事の中に今年、労務行政研究所が実施した「社員の健康管理に関する総合実態調査結果」が記載されていました。主に上場企業を対象とした調査結果ですがメンタルヘルス対策が自社で「課題となっている」と認識している企業は、全体の約7割に上るそうです。

(2005年時の調査時は56.9パーセントなので3年で大幅な増加)

熊本においても私自身の経験ですが現在から約5年ほど前まで振り返ってみても傷病手当金(業務外の傷病休職の際に支給される健康保険の給付金)の請求原因が「うつ病」や「うつ状態」であるケースが非常に増えていると実感しております。

自社の社員がうつ病等の精神疾患を抱えてしまう=社員のパフォーマンスの低下となり、企業にとっては明らかなマイナスです。うつ病の原因が企業での過重労働やパワハラが原因の場合、社員やその家族から企業が訴えられるケースもありますので、社員の健康管理には十分に注意を払う必要があります。

その為には第一に予防することが大切です。

今回は企業の大小に関わらず行える簡単な予防策をご紹介します。

それは、経営者及び管理者に限らず社員全員がうつ病の兆候の際によく見られる行動を知り、その兆候が見られた際に早期対策をとることです。うつ病の兆候の際に見られる社員の行動をご紹介します。

・遅刻・欠勤するようになった。
・ぼーっとする時間が増えた。
・仕事にとりかかるスピードが落ちた。
・簡単な約束や指示を忘れるようになった。
・服装が乱れたり、身だしなみを構わなくなった。
・報告を求めてもつじつまのあわない、まわりくどい話し方をするようになった。
日報等の字の乱れ、誤字、脱字が極端に増えた。

(上記の行動は当然疲労によっても見られる行動ですが、繰り返し見られるようでしたら注意が必要です)

上記のような行動以外でもサインをキャッチすることができます。
それは社員それぞれが持っている「社員らしさ」を感じなくなった時です。

そのサインに気づくかどうかは、日ごろから社員の顔をしっかり見てコミュニケーションをとり社員らしさを観察しておく必要があります。(日ごろから社員の性格、表情や顔色、目、服装、見出しなみ、言動、行動を観察しておくことが必要です。)

常日頃からの社員らしさの観察が、社員が突然会社に来なくなったり、うつ病が発症した場合に「そういえば以前から社員の様子がおかしかった」といった後の祭りを防ぐことに繋がるのです。

皆様は、日ごろから社員の顔をしっかり見てコミュニケーションをとられていますか?

次号では、うつの兆候が見られた場合に、どのように管理者として対処するかをテーマとして取り上げます。