2021.08.30
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企業組織内での情報公開のポイント

企業組織内での情報公開のポイント

企業の組織力を高める為に、企業の財務状況や経営上の重要なデータの「公開」を進められる企業も多いと思います。

特にIT技術によるシステム化が急速に進歩しているので、中小企業でも経営に関するあらゆる情報や、ベテランの方が持っている知識・経験等についてもタイムリーに情報共有ができる環境が整ってきており、尚更そういった環境を整えやすい時代に入ってきているのではないでしょうか。

そこで、今回のコラムは「情報公開」を進める上での注意ポイントについて解説致します。

ポイントは主に以下の3点が上げられます。

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1.「情報を公開する目的(得たい成果)を明確にしておくこと」

どんな成果を出したいのか?目的の優先順位をはっきりさせておく必要があります。

情報を共有することで当事者意識を持ってもらいたいのか?意見を求めるなど具体的なアクションを起こしてもらいたいのか?情報不足による不安や不信感を取り除いてもらいたいのか?等々公開するテーマに応じて目的の優先順位を明確にしておく必要があります。

目的の優先順位が明確になっていると、情報を開示する際の資料の作り方や目的を事前に対象者に伝えることができるので得たい成果がより得やすくなります。

2.「目的に沿った情報の出し方(見せ方)を検討すること」

例えば、業績が悪化している状況での財務状況等、受け取る社員にとってマイナスの情報として受け取られかねないものは配慮が必要です。結束を固めたいのに将来に不安を感じて人員が流出してしまう等、得たい成果と全く真逆の結果を招いてしまう危険性もあります。そういった場合は、マイナスの情報をカバーするだけの今後の打開策や方針を示す等プラスの情報をセットで公開する等、情報の見せ方を工夫する必要があります。

3.「情報公開する内容に応じて、対象者の前提条件をよく検討しておくこと」

この点も慎重な検討が必要です。特に上記のような業績悪化時の経営状況の報告等、従業員の方の立場からすると利益に反するような情報については慎重さが求められます。センシィテブな情報であればある程、対象者の前提条件として

・情報の内容を正確に理解する能力があるか
・従業員の立場や視点からだけでなく、企業全体での視点で物事が考えられるか
・企業の理念やヴィジョンに強く共感を示してくれているか
・経営者から見て信頼のおける人物か

といった内容を考慮して公開を進めていく必要があります。

上記のような条件を満たすのは多くの場合、管理職の立場にあるような方が多いと思いますが、全体に情報公開するとしても、まずはそういった方から理解を得て、情報公開時に起こり得る影響を検討して良い成果を得るためにどのような伝え方が良いか、その後のフォローや実行策も含め、意見を求める等協力を得ていく必要があります。

情報公開は、社員全体への当事者意識を高める上で重要な施策ですが、内容に応じて充分な検討が必要になってきます。本コラムが、御社の今後の情報公開を進める上での参考になれば幸いです。

今回のコラムは以上となります。お読み頂き、ありがとうございました。