2022.03.31
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属人化のメリット・デメリット と その予防策について

属人化のメリット・デメリット と その予防策について

いつもお世話になっております。
プロセスコアの山下です

今回のコラムのテーマは「属人化のメリット・デメリット と その予防策について」です。

中小企業は大企業と比べて従業員数が少なく、どうしても「この仕事はこの人にしかできない」といった、いわゆる「仕事の属人化」が多い傾向にあると思います。
弊所でも属人化している部分が少なからずあります。

例えば、この業務をやってくれているAさんが事故にあったり、急に退職していなくなったらどうなるんだろう?というリスクがまったくないわけではありません。
ではそのようなリスクをどうすれば防げるのか?その対策についてまとめてみました。

まず、属人化のメリット・デメリットについてですが、属人化は必ずしも悪いことだけではありません。
専門性の高い業務ほど、その業務を担える人は限られてきますので、専門性が高い仕事のクオリティーを維持するという意味では、遂行できる能力を持った人材を割り当てることが当然で、組織全体のパフォーマンス向上には必要な施策ともいえます。
任せられる人も、その仕事に関しての裁量を多く与えられますので、高いモチベーションに繋がる要因にもなります。

デメリットとしては、先程述べたような、属人化している業務の担当者が抜けた時に、
・業務が大幅に滞る危険性がある
・業務量が増えた時にキャパシティオーバーになりやすい
・業務全体が見えづらくなるので進捗が把握しづらくなる
・ミスがあっても本人からの報告がなければ分からない
 、、、といった点が挙げられます。

では、属人化によって発生するリスクを最小限に防ぐためにはどのような予防策が有効なのか?
以下にまとめてみました。

  1. まず現在属人化している仕事で、欠員がでたら企業活動を行う上でダメージが大きな仕事は何かを考え、抽出して、予防策を打つ順番をつける
  2. 現在、一人で担わせている仕事を複数人に担当させたり、定期的にジョブローテーション(担当業務の異動)をさせて、万が一欠員が出た時に大きな支障が出ないような体制づくりを進めておく
  3. 普段から、属人化している、若しくはなりやすい業務の「マニュアル化」を心がけ、属人化しやすい個々人の経験・知見、知識を組織全体で共有・活用できるような環境を作っておく

属人化は、企画開発や専門性の高い部門によってはどうしても発生しがちであり、ある程度はしかたのない部分といえます。しかし、その割合が高ければ高いほど、企業の事業活動を停滞させる要素にもなります。
そのため、内部の諸事情で業務が滞ることがない高いレベルでの組織運営を目指すのであれば、属人化の部分はできるだけ減らしていくことが望ましいといえます。
属人化のリスクを減らすために、ジョブローテーションやマニュアル化を進めることは、業務の再現性を高めることに繋がり、結果として短期間での社員の戦力化や指導不足による離職率の低減などにも役立ちます。

今回のコラムが、御社の属人化によるリスク分析や予防策の実施について検討するきっかけの一つになれば幸いです。

今回のコラムは以上です。
お読み頂き、ありがとうございました。