2022.05.08
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従業員のモチベーションを維持しつつ、フィードバックを伝える施策

従業員のモチベーションを維持しつつ、フィードバックを伝える施策

今回のコラムは、「何故、人事評価制度の運用が難しいのか?従業員へのフィードバックが難しいのか?そして、どうすれば、従業員のモチベーションを維持しつつ、フィードバックを伝えることができるのか?」について、コラムでまとめてみました。


お客様企業からご相談頂き、私自身も日々試行錯誤の途中で、まだ明確な「答え」といったものがはっきりと出せているわけではありませんが、現時点で「成否を分けるポイントではないか?」と考えている点を書かせて頂きました。(抽象的な表現が多いかもしれませんが、考えるきっかけになればと思います。)

まず、評価制度の運用を難しくしている理由の1つは、フィードバックを伝える上司が評価の受け手に信頼されているか?また、評価するだけの情報を得るため普段から従業員を観察しているか?定期的な育成面談の時間を確保しているか?等、運用するための「人」や「時間」等のリソースが確保されていないと機能しづらいという点。

それに加えて、制度上の問題点として、運用されている評価制度の多くが100点満点からの引き算で行われる減点評価で行われており、評価項目の一部分が突出して良い点数を取っても、平均点が低い人は、評価されづらく、そういった人達のモチベーションが下がる危険性があるという点があげられます。


評価項目の平均点が高い人は、評価点数も高くなりやすいため、モチベーションが上がりやすい制度ともいえますが、平均点数が低い、いわゆる「能力に偏りがある」人は点数が伸びづらく、やる気を損なう弊害になってしまい、全体的な士気の向上という視点で考えるとマイナスに作用する可能性があります。
本来、全体のモチベーションの維持や能力向上を目的とした制度が、かえってモチベーションを低下させる要因になってしまいます


では、どうすれば、モチベーションを下げずに、フィードバックを伝えることができるのか?運用方法についてですが、主に以下の5点が有効な施策だと考えます。

  1. フィードバックの伝え手側が、部下の仕事ぶりだけでなく、プライベートな部分も含め、本人の関心時にも興味を持ち、普段からの人間関係のベースをしっかり築いておくこと
  2. 上司側が尊敬されていること

…1.2については、ネガティブなフィードバックを仮に伝えたとしても、人間関係が崩れず、この人に言われるなら仕方ないとか、納得できると思ってもらえるかどうかが重要な要素になります。

  1. フィードバックの伝え方は、本人の強みや貢献度の高い部分、前回の評価結果より、成長した部分をまず先に伝え、相手の承認欲求や自己肯定感を高めた上で課題点を本人にフィードバックすること
  2. 制度上の注意点としては、勤務態度やマナーといった、仕事の姿勢に関するような基礎的な部分は減点評価を取り入れても良いが、それ以外の能力的な評価項目は、仕事の難易度や社内外に与えるプラスの影響度に応じて、加点評価を取り入れていくこと
  3. 評価項目として拾いづらい部分もできるだけ、本人からの自己PRを出させたり、上司だけでなく、同僚や部下からも社内外の貢献度について意見をもとめ、フィードバックに反映させていく

以上5点です。
評価制度の運用は時間と労力もかかり、簡単ではありませんが、個々人の成長を期待するのであれば必要な制度だと考えております。このコラムが御社の企業内の評価制度の運用をより良くする為のきっかけになれば幸いです。

今回のコラムは以上です。
お読み頂き、ありがとうございました。