社会保険労務士@山下謙治

2026年4月から「子ども・子育て支援金制度」が始まります。

少子化と人口減少が加速するなか、政府は2023年10月にこども未来戦略「加速化プラン」を策定し、総額3.6兆円規模の子育て支援拡充を打ち出しました。本制度は、その重要な財源のひとつとして創設されるものです。

本コラムでは、制度の概要と企業の実務対応について分かりやすく整理します。

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■ 子ども・子育て支援金制度とは

「子ども・子育て支援金制度」は、子育て支援策の拡充に必要な費用を全ての世代や企業のみなさまから支援金を拠出いただき、子育て施策の拡充に充てるもので、こどもや子育て世帯を社会全体で支える制度です。

将来の社会保障や経済を支える世代への投資という位置づけであり、子育て世帯だけでなく、社会全体にとっての基盤づくりといえます。

■ 支援金の使途

支援金は、児童手当の拡充や妊婦のための支援給付など、子育て支援策を抜本的に強化するための財源として使用されます。

具体的な子育て支援の拡充内容については、以下を参考にしてください。

出典|こども家庭庁『子ども・子育て支援金制度のQ&A』Q2(一部抜粋して掲載)

■ 既存の「子ども・子育て拠出金」との違い

名称が似ているため混同しやすいですが、次のような違いがあります。

① 子ども・子育て拠出金制度(既存)

② 子ども・子育て支援金制度(新設)

従業員の手取り額に直接影響する点が、実務上の大きなポイントです。

■ 支援金額(給与からの控除金額)の計算方法

健康保険に加入している従業員様の給与控除金額について解説します。

2026年度の支援金率は 0.23%(国が一律に設定)。
計算方法は以下のとおりです。

標準報酬月額 × 0.23% ÷ 2(従業員負担分)
※ 企業も同額を負担します。

例えば、標準報酬月額30万円の場合
30万円 × 0.23% = 690円
その半額の 約345円が従業員負担(月額) となります。

※国民健康保険や後期高齢者医療制度加入者は計算方法が異なるため、各保険者へ確認して下さい。

■ 企業の実務対応

① 控除開始時期

給与明細への内訳表示は法的義務ではありませんが、制度趣旨を踏まえ、表示することが望ましいとされています。

② 納付の流れ

納入告知書に「支援金額」が新たに記載される予定です。

出典|こども家庭庁『子ども・子育て支援金の概要について』P3(一部抜粋して掲載)

③ 従業員への事前周知

支援金の徴収が開始されることによって、従業員の毎月の手取り額も減少します。

国の制度とはいえ、従業員に支援金徴収が始まることを事前に周知しておくことが必要です。

特に、短時間労働者を含む社会保険加入者は全員対象となるため、誤解や不信感を生まないよう、早めのアナウンスが求められます。

■ おわりに

急速に進む少子化は、子育て世帯だけの問題ではなく、社会全体の持続性に関わる重要課題です。

子どもたちは将来、経済や社会保障を支える存在になります。

その基盤づくりを社会全体で担う仕組みとして、本制度は導入されます。

「未来への投資を支える一員である」という視点を持ちながら、丁寧な制度運用を進めていくことが重要です。

制度開始までに、準備と周知を着実に進めていきましょう。

〈この記事を書いた人〉
山下 謙治
Kenji Yamashita
社会保険労務士法人 プロセスコア 代表
日越協同組合 監事
社会保険労務士・行政書士・マイケルボルダック認定コーチ
日産鮎川義塾 師範代 九州本校 塾長

社会保険労務士として人事・労務の課題解決を通じて地元熊本を中心に中小企業の経営支援20年のキャリアを持つ。従来の社会保険労務士の業務だけでなく、管理職育成を中心とした教育研修事業や評価制度導入支援を行い、経営者が抱える、組織上の悩みや課題解決の支援を行っている。得意とする業務は、起業から5年目以降の発展期における組織強化・拡大期の採用・教育・評価・処遇といった人事制度づくりの支援。

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書籍「第3の時間」
 ~ デンマークで学んだ、短く働き、人生を豊かに変える時間術 ~ のご紹介

今回のコラムでは久しぶりに書籍の紹介をさせて頂きたいと思います。

今回ご紹介するのは、昨年12月に刊行されたばかりの書籍「第3の時間」です。

第3の時間 デンマークで学んだ、短く働き、人生を豊かに変える時間術 | 井上陽子 |本 | 通販 | Amazon

今までの働き方の「あり方」や「やり方」を見直すうえで、とても視座に富む書籍です。

クライアント企業の経営者・人事担当者様にぜひご一読頂きたいです。

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どんな方にお勧めか?

このようなお悩みを持つ経営者・人事担当者様に是非お読み頂きたい書籍です。

この本をお勧めする理由

なぜ、この書籍を前述の方にお勧めするかというと、書籍で紹介されているデンマークが、

「午後4時台には退勤し、残業ほとんどなし、それでも、一人当たりGDPも国際競争力も幸福度も、世界トップクラスという国」であり、総合的に見ると日本と真逆の社会環境を創り上げている国だからです。

良いか悪いかという問題は別にして、日本人の多くの働き手は(私含め特に中高年の男性世代ではないかと思いますが)

「長時間労働=努力」

という価値観が根強く残っており、デンマークの働く環境について違和感を覚える方も多いのではないでしょうか?

しかも、中小企業において現状人手不足の中で生産性向上が求められており、時間捻出がとても大きな課題になっているため、なおさら違和感を覚える方が多いのではないかと思います。

私自身もどちらかというと、そういった価値観にどっぷり浸かってきた方なので「何故そんなことが実現できるの?悔しい(正直羨ましい!)」と最初は思いました。

しかし、書籍を読むと納得できる部分や、一旦受け入れて自分自身の考え方を考え直してみようと思う部分を沢山発見することが出来ました。

どのようなことが分かるのか

著書の井上陽子氏(元新聞記者)は、家庭の事情でデンマークに移住したことで、現地の国の人たちの働き方や生活環境に触れることになります。

最初は、時間の使い方の違いにかなり戸惑われたようですが、何故このような社会環境を作り上げることが出来ているのか、政治・経済・福祉政策など様々な角度、国民自体の仕事や人生(時間)に対する考え方を研究・考察し、要因分析されています。

デンマークは人口約600万人。

天然資源は少なく、日本と同じような小国です。

書籍の構成は、下記の通り。

この書籍の国全体の取り組みについて書かれた内容をそのまま「企業」に置き換えて読んでみてください。

そうすると、自社のやり方についてテコ入れした方が良い点が見つかったり、働き手に受け入れられる企業とは、これからはこんな職場環境かも??といったことがイメージしやすくなるかと思います。

特に印象に残った部分

特に印象に残ったのは、デンマークの1日の時間に対する考え方です。

書籍のタイトルにもなっている「第3の時間」を著者は以下のように定義されています。

「第3の時間」とは何か?

この「自由時間」が現状を変える、“変化を起こす力”の源であり、この自由時間を奪うということは変化を起こす力を奪うことになる。

人が幸福と感じれるかどうかの基準の一つに、「自分は変われる」「物事は変えられる」という感覚を普段から持てているかどうかが重要で、この時間をどれだけ確保できているかが幸福度に直結し、国、企業、はたまた個人の成長やヴィジョンの実現に大きく影響する、なくてはならないものという考え方が浸透していると紹介されていました。

私自身、そもそも仕事が好きなタイプであること、仕事=人生のような「 the 昭和」的な考え方が強い自覚があります。

書籍を読んで、かえってその考えが生産性を落としているのかも?と考えるようになりました。

「自由時間こそイノベーションの源泉である」という視点を持ち、時間設計を組み直してスケジュールを検証してみようと思うきっかけをもらいました。

不思議なもので、本を読んだ後から会議の時間を短くしようと取り組み、改善したり、限られた時間内に仕事を終えることが出来る日が増え、早速小さな変化を実感しています。

私だけが意識を変えても意味がないので、スタッフにも書籍を購入して読んでもらいたいと思っています。

脳科学的にも、考え込むだけでなく「間」を取って気分転換したり、他のことに意識を向ける時間が脳内の情報を整理して、インスピレーションを増やす上で重要であることが分かってきています。

生産性を上げることが国全体として求められていますが、そのためには、

・創造性を生む
・冷静な判断を生む

「間」を取ること=「第三の時間」が今まで以上に経営にも重要になるかと思います。

ぜひ書籍をご一読頂き、個人の仕事時間の設計だけでなく、従業員の皆様の仕事時間の設計についても検討する機会にして頂ければ幸いです。

コラムをお読み頂き、ありがとうございました。

〈この記事を書いた人〉
山下 謙治
Kenji Yamashita
社会保険労務士法人 プロセスコア 代表
日越協同組合 監事
社会保険労務士・行政書士・マイケルボルダック認定コーチ
日産鮎川義塾 師範代 九州本校 塾長

社会保険労務士として人事・労務の課題解決を通じて地元熊本を中心に中小企業の経営支援20年のキャリアを持つ。従来の社会保険労務士の業務だけでなく、管理職育成を中心とした教育研修事業や評価制度導入支援を行い、経営者が抱える、組織上の悩みや課題解決の支援を行っている。得意とする業務は、起業から5年目以降の発展期における組織強化・拡大期の採用・教育・評価・処遇といった人事制度づくりの支援。

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直近1ヶ月から2ヶ月の労働行政の動きや新聞記事をまとめたものです。
今後の人事・労務関連の次の一手を打つための情報として、是非ご一読下さい。

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1. 税制改正大綱閣議決定 「年収の壁」178万円に(12/26)

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政府は26日、令和8年度税制改正大綱を閣議決定した。所得税の基礎控除について物価上昇と連動する仕組みを創設し、合計所得2,350万円以下の控除額を58万円から62万円に引き上げる。給与所得控除の最低保障額は65万円から69万円に引き上げる。
「年収の壁」は160万円から178万円となる。また賃上げ促進税制の見直しのほか、ひとり親控除や住宅ローン控除の見直し、NISAの拡充等が盛り込まれた。

2. 「子育て支援金」負担額試算 26年度は年収600万円で月575円(12/27)

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こども家庭庁は26日、26年4月分から徴収される子ども・子育て支援金の年収別負担額の試算を公表した。被保険者一人当たりの負担額は、加入する公的医療保険や年収、家族構成によって異なり、28年度まで段階的に増えた後は一定額となる。
会社員や公務員の試算では、26年度は年収400万円なら月384円(28年度650円)、600万円なら月575円(同1,000円)、800万円なら月767年(同1,350円)が徴収される。

3. 厚労省 遺族(補償)等年金の支給要件見直し(1/14)

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労働政策審議会の部会は14日、労災保険制度の見直しに関する建議を公表した。
遺族(補償)等年金で夫にのみに課せられた55歳以上との支給要件を撤廃する案など、男女差を解消すべきとした。また、適用や給付に関する見直しに関する内容も盛り込まれた。厚生労働省は、これらの内容をもとに次の通常国会に改正法案を提出し、成立を目指す。

4. 来年度国民年金支給1.9%上げも実質目減り(1/23)

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厚生労働省は23日、2026年度の公的年金支給額を引き上げると発表した。
国民年金は1.9%増、厚生年金は2.0%増で、4年連続のプラス改定となるが「マクロ経済スライド」発動により、実質的な年金額は目減りする。

5. 雇用調整助成金の特例、災害時は原則1年に 厚労省が方針(1/26)

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厚生労働省は26日、雇用調整助成金の緊急時の在り方について、経済変動、自然災害、感染症に分類してたたき台を労働政策審議会の分科会に示した。自然災害による特例の適用期間は原則1年とする方針。今後は、災害規模に応じた特例の要件を基本方針に盛り込み運用する。政府の対策本部設置や激甚災害指定などが基準となる見通し。3月末までに正式決定し、運用開始することを目指す。

6. 労働力人口初の7,000万人超え(1/31)

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総務省は30日、2025年の労働力調査の詳細集計を発表した。就業者と失業者の合計値である労働力人口は7,004万人と、7,000万人の大台を初めて超えた。
女性は1.4%増、65歳以上の男女は1.5%増と、女性と高齢者が全体を押し上げた。平均年間就業時間は1788.3時間と、前年に比べ0.9%減った。一方、同日厚生労働省が発表した「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(2025年10月末時点)によると、国内の外国人労働者は257万1,037人と、2008年の集計開始以来、初めて250万人を超えた。

出典:(株)日本法令 SJS Express

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2025年6月の法改正により、カスタマーハラスメント(以下カスハラ)への対応が、企業の努力義務から実質的な義務へと大きく前進しました。

本コラムでは、

の3つのテーマに分けて解説します。

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カスハラとは何か(定義)

法改正により、カスハラの定義が法令上明確化されました。

カスハラとクレームの違い

カスハラと顧客からの正当な要望(クレーム)の判別が難しい部分かと思いますが、カスハラとクレームの違いを考えるうえでは、次の3つの視点に着目することが重要です。

いずれか1つでも否定される場合で、就業環境が害されたときには、カスハラに該当します。

① 落ち度があるか

下記のように企業には何の落ち度もない場合、正当なクレームとは言えずカスハラに該当する可能性があります。

② バランスがとれているか

提供した商品・サービスに欠陥・過失があった場合でも「問題の大きさ」と「顧客の要求」のバランスがとれている必要があります。

商品が故障していたときに、その商品の価格と比較して…

③ 手段が相当なものか

企業側に落ち度があっても、手段が社会通念上相当でない場合カスハラに該当します。

企業として重要なのは、「どのような行為をカスハラと判断するのか」という自社基準の明確化です。

基準が曖昧なままでは、現場は対応に迷い、従業員の負担が増してしまいます。

厚生労働省よりカスハラとなる可能性のある行為例が公表されておりますので以下の図を参考にされてください。

(出典)厚生労働省『カスタマーハラスメント対策 企業マニュアル』P9

労災認定との関係

2023年9月には精神疾患の労災認定基準が改正され、「業務による心理的負荷評価表」にカスハラの項目が追加されました。

カスハラ対応が難しい理由

従来のハラスメント(セクハラ・パワハラ・マタハラ等)は社内で起きるものであるのに対し、カスハラは社外の者から従業員が被害を受けるものになります。

従業員が加害者であれば指導や懲戒が可能ですが、顧客や取引先が相手の場合、企業が直接的な制裁を行うことは容易ではありません。

状況に応じては取引先や弁護士、警察など外部との連携が重要です。

取引先との間で発生した場合の対応

以下に、取引先と自社との関係で取引先が加害者になる場合と、自社従業員が加害者になる場合の対応のポイントをまとめております。

① 従業員が取引先から被害を受けた場合

  • ・事実関係の迅速な確認
  • ・記録の作成
  • ・取引先への事実確認依頼
  • ・必要に応じて契約上の対応検討

② 自社従業員が取引先へ行為をした場合

  • ・速やかな調査
  • ・就業規則に基づく適切な措置
  • ・取引先への誠実な説明と謝罪
  • ・再発防止策の実施

カスハラに対する企業の対応の必要性

カスハラに対して企業が適切な対応をとらなかった場合、安全配慮義務違反に問われる恐れがあり、被害を受けた従業員から損害賠償請求を求められることもあります。

実際に損害賠償請求が認められた裁判例もございます。

(出典)厚生労働省『カスタマーハラスメント対策 企業マニュアル』P17

反対にカスハラ対策を十分に講じていたことで、安全配慮義務の責任を免除され、損害賠償請求が認められなかった裁判例もございます。

(出典)厚生労働省『カスタマーハラスメント対策 企業マニュアル』P17

企業が今すぐ取り組むべき5つの対策

1.基本方針の明確化

経営トップ自らが「カスハラを許さない」という姿勢を示すことが出発点です。
基本方針や姿勢を明確にし、安心して働ける環境づくりを行う。

2.対応マニュアルの整備

被害にあった際に迷わないための具体的手順を定めます。
カスハラ行為別の対応例を参考に社内用のマニュアル作成。

参考|厚生労働省『カスタマーハラスメント対策 企業マニュアル』P26~P28

3.相談体制の整備

安心して相談できる窓口の設置と周知。

4.教育・研修の実施

カスハラだけでなくクレームにも対応できるように、教育・研修の実施。
基礎知識や対応方法、記録方法、ロープレなどを盛り込み実践的な研修が効果的です。

5.被害従業員への配慮

現場からの速やかな隔離を行い医療機関受診の促しと心理的サポートが必要です。
安全確保とメンタルケアは最優先事項です。

2025年6月以降は「義務」

法改正後は、以下の措置を講じることが企業の義務となります。

おわりに

カスハラ対策は、単なるトラブル対応の仕組みづくりではありません。

「従業員の尊厳を守る」という企業の意思表示です。

また、従業員を守るだけでなく、企業そのものを守るリスクマネジメントです。

厚生労働省より企業用と従業員用のチェックシートが公開されておりますので、マニュアル作成時、従業員への周知の際にご活用下さい。

参考|厚生労働省『カスタマーハラスメント対策 企業マニュアル』P52~P54

本コラムが企業のカスハラ対策の一助になればと思います。

お読み頂き、ありがとうございました。

〈この記事を書いた人〉
山下 謙治
Kenji Yamashita
社会保険労務士法人 プロセスコア 代表
日越協同組合 監事
社会保険労務士・行政書士・マイケルボルダック認定コーチ
日産鮎川義塾 師範代 九州本校 塾長

社会保険労務士として人事・労務の課題解決を通じて地元熊本を中心に中小企業の経営支援20年のキャリアを持つ。従来の社会保険労務士の業務だけでなく、管理職育成を中心とした教育研修事業や評価制度導入支援を行い、経営者が抱える、組織上の悩みや課題解決の支援を行っている。得意とする業務は、起業から5年目以降の発展期における組織強化・拡大期の採用・教育・評価・処遇といった人事制度づくりの支援。

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皆様、明けましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いします。

今回は通常の労務関連のコラムとは少し趣向を変え、視察旅行のレポートをお届けしたいと思います。

今年1月5日から10日まで6日間かけて、私が所属する経営者向けの勉強会仲間と一緒にCESに参加してきました。

CESとは、毎年1月にアメリカ・ラスベガスで開催される、世界最大級のテクノロジー展示会のこと。
5〜10年先に世の中を変える技術・ビジネスの“予告編”が集まる場所」と言われているイベントです。

私の参加目的は、自分の職場(社会保険労務士事務所)での働き方について、テクノロジーが進歩する5年後の未来を見越して、今後の方針を決める上での参考にすることです。

どう変わる必要があるのか?そもそも仕事がなくなるのでは?
そして、関与先企業様の働き方にどんな影響が出るのか?提案できるものがないか?

このような視点で参加してきましたが、情報量が多すぎて咀嚼するのが大変なくらい収穫の多い視察旅行でした。

貴重な経験や知識を得る機会でしたので、皆様に共有させて頂きたいと思います。

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開催都市ラスベガスのスケールの大きさに驚き

展示会はもちろんすごかったのですが、開催地のラスベガスという都市のスケールの大きさにも驚きました。

人口60万人と熊本市とそれほど変わらない人口の都市でありながら、年間の延べ観光客数が4,000万人!
この数字は日本全体の年間延べ観光客数と変わらない規模です。

もともとは砂漠地帯であったラスベガスが、何もないところから100年近くの月日でこれだけの商業都市に変貌したという成長のスピード感、勢いにびっくりしました。

ラスベガスの都市の始まりは、砂漠地帯に位置しており水源を確保する必要があったため、オアシスの近くでダム建設が始まり、多くの建設業者が集まったことから。

その後、税収を確保する目的からカジノ営業が合法化され、高級ホテルの建設ラッシュが進みました。
こうしてラスベガスは、アメリカ全土、さらには世界中から人が集まるエンターテイメントの街へと変貌していきました。

砂漠地帯のオアシスをどう活かすか?
そこにあるリソースを最大限活かそうとする人々の思いや、実現する力の凄さを改めて感じました。

CESイベントブースを回って

CESは出展数も桁違いに多く、例年4,500以上出展。
来場者数は14万人も集まる大イベントです。

会場がいくつかのエリアに分かれており、1日平均2万歩(15㌔)近く歩きました。
イベント視察3日目には膝痛がでてきて、足を引きずりながら回ることに(汗)

出展ブースは様々で、家電製品だけでなく、生成AIやロボティクス、モビリティーやヘルスケア、サステナビリティ(脱炭素・省エネ)、また運送、農業、建設、介護、製造業など業種別の人手不足や作業負担を削減する為のロボットや自動運転機械、車、分析システムなど様々展示されていました。

こういったツールがもっと普及すれば、関与先企業様の人手不足による負担も楽になるのではないか?と思える製品が沢山ありました。

特に印象に残ったのは、自動運転トラック。
2024年に実際にアメリカの公道で既に利用されているそうです。

日本でも早くこういった車が利用できるような環境が整えばいいなと思いました。

自動運転トラック

医療手術用の遠隔ロボット

腰痛を予防するパワードスーツや重たいものを持ち上げる為のスーツもありました。

人が操縦運転できるドローン

AIが実態社会にどんどん入り込んでくる時代

展示ブースを見ていて、全体的に多いと感じたものは、以下のものです。

 AI そのものを売りにしている展示もありましたが、AI を使って様々なものを制御する展示が多かったです。

また、AI のためにデータを収集するデバイスの展示も多く、実態社会のインフラとして、AI がどんどん活用される時代になっていくことが想像出来ました。

AIが私達の働き方をどう変える?

展示会ではセミナーも同時に開催されており、「AIの進歩により仕事の進め方をどう変えるべきか?仕事の再構築」というテーマのセミナーもありました。

印象に残った点を共有します。

重要と思えたポイント

AIの利点が強調されるが、人間ならではのスキルもある

AIを効果的に仕事に取り入れるための取り組みの流れ

企業が今後取り組んでいくべき課題

AIを既存の業務支援に積極的に活用できている人とそうでない人で2極化する傾向があり、企業はAIを使うことでメリットがあることを理解してもらえるような研修企画、AIはあくまで業務サポートの役割で、最終決定を間違わない為の経験・総合判断力(経験知や、意思 決定、行動するに至った価値観、判断基準となる哲学)を養う反復学習を継続して実施することが重要。
また、それを推進する為の人材確保や育成。

人事部が積極的にAI活用に関わっていく必要があることも示唆されていました。

印象に残った講師の言葉

これからなくなる仕事、なくならない仕事(所感)

ブースやセミナーを回る中で、ホワイトカラー(事務系のデスクワーク)については、報告や連絡・相談などもchatworkやSlackに埋め込まれたAIエージェントが、指示を出せば勝手に仕事をしてくれる時代が近づいていることを感じました。

その反面、出展ブースが少なかったのは建設や看護や介護といった業種です。

複雑な作業や定型化しづらい様々なケースが想定される仕事、危険度が高かったり生命に関する仕事は人を補助するようなロボットやAIを活用したシステムは普及するが、仕事そのものが代替できるかというと難しい分野であることがよく分かりました。

感情のニュアンスや、複雑な人間関係の調整については、AIではなく人にやってもらいたいというニーズがある部分なのでしょう。

特に、1対1、または1対多数でのコミュニケーションが求められる場面

このような「人と人との間で起こる熱量の受け取り、伝播」といった部分は、人間ならではの能力であり、「人間力」「影響力」という抽象的な言葉で表される能力が重宝され、より磨いていくことが求められる時代だと思いました。

また、指示待ちでなく、自ら主体的に動ける人(受信でなく、発信ができる人)、人の意見に流されず自分で考え判断できる人、コミュニティーの調整役が出来て、相手のタイプや状況を汲み取ってコミュニケーションが取れる人、その上で、生成AIを抵抗感なく、活用できる人が企業の組織内で求められる時代だと思います。

最後に

視察旅行を通して、海外に定期的に行った方が良いと改めて思いました。

特に若い人は無理してでも海外にどんどん出ていかなければいけない時代だと再認識というか、正直危機感を持ちました。

というのも、出展企業ブースの日本企業の数が指で数えるくらいしかなく、イノベーションアワードという賞があるのですが日本は7件獲得、お隣の韓国は200件以上獲得。

技術立国日本という言葉は・・・???と思わざるを得ない残念な光景が広がっていました。

あと、喜んでいいのか微妙でしたが、、、

帰りに成田空港で、うどんとコーヒーのセットを1,000円ちょっとの価格で頂きましたが、ラスベガスで2~3倍の値段に慣れると安い!!と思えるマジック。

値段を高いと感じるか安いと感じるかは相対的なものだと思いましたし、日本円の価値が低下していることを実感しました。

円安はご存知のとおり輸出では良い面もありますが、行き過ぎると国民全体の可処分所得の低下、企業のコスト増、技術者の海外流出、国全体がどんどん貧しくなるジリ貧状態に向かっていきます。

全体を考えると、賃上げは一人の経営者として大事なことだと改めて思いました。

これまで以上に厳しい環境の変化が予想されますが、企業の付加価値を高める、顧客数を増やす、求職者から選ばれ、長く働きたいと思える職場をつくる、そういったことに今まで以上に注力することが、生き残りに不可欠な取り組みだと身が引き締まる思いになった視察旅行でした。

レポートは以上となります。

記事の内容が少しでも今後の企業活動においての気付きやプラスになれば幸いです。

お読み頂き、ありがとうございました。

〈この記事を書いた人〉
山下 謙治
Kenji Yamashita
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直近1ヶ月から2ヶ月の労働行政の動きや新聞記事をまとめたものです。
今後の人事・労務関連の次の一手を打つための情報として、是非ご一読下さい。

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1. 介護報酬臨時改定へ 2026年6月(12/13)

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厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会は12日、介護職員の処遇改善に向けて、2026年6月に介護報酬の臨時改定を実施する方針を示した。他産業の賃金上昇による人材流出を食い止めるため、3年に一度の報酬改定を前倒しする。また、介護職員以外の介護従事者を新たに介護職員等処遇改善加算の対象とし、新たに訪問看護や居宅介護支援などのサービスを算定対象とするなどの拡充を図る。

2. 人口減少地域における介護職員の人員基準を緩和(12/16)

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厚生労働省の社会保障審議会(介護保険部会)は15日、中山間・人口減少地域に限って、介護職員の人員配置基準を緩和することなどを認める案を示した。人材確保が困難な地域においても介護サービスの提供を維持するためで、新制度では常勤や専従要件のほか、夜勤の配置基準を緩和できるようにする。2027年度介護保険制度見直しでの導入を目指し、検討を行う。

3. 育成就労の受入れ上限 42.6万人を検討(12/24)

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政府は、2027年度からの育成就労制度について、開始から2年間の受入れ上限を42万6,200人とする案を23日の有識者会議で示した。業種ごとの上限に達した場合は受入れを停止する。特定技能1号は80万5,700人で、外国人労働者の受入れ上限を計123万2,000人としている。来年1月下旬の閣議決定を目指す。

4. 労基法改正案 通常国会への提出見送り(12/25)

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厚生労働省は、労働基準法改正法案について、2026年通常国会への提出を見送ることとなった。政府の日本成長戦略会議は24日、労働時間規制の緩和を含む検討の加速を指示しており、来年1月公表予定の働き方改革の総点検の結果なども踏まえ、夏までに労働時間法制の政策対応の在り方について分科会で多角的に議論する。法案の提出時期については、来年の夏前にまとめられる政府の成長戦略や骨太の方針に向けた議論の推移を考慮して探る方針。

出典:(株)日本法令 SJS Express

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毎年のように引き上げられる最低賃金。

熊本でも2026年1月1日から新たな最低銀金、時給1,034円が適用されます。

人件費への影響だけでなく、正しい計算方法を理解していないことで知らぬ間に“最賃割れ”を起こしてしまうケースも少なくありません。

今回は最低賃金の基礎から、計算方法、適用基準、給与設計の見直し、そして最賃を下回った場合の罰則までを整理して解説します。

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最低賃金とは?

最低賃金は、企業が労働者に支払わなければならない最低限の時給額を法律で定めたものです。

最低賃金は労働者全員に適用され、障害者雇用・パート・アルバイト・試用期間中の従業員も例外ではありません。

対象となる手当とは?

最低賃金に算入できるのは、労働の対価や業務遂行に対して支払われる手当です。
具体的には以下が含まれます。

対象とならない手当とは?

一方、以下のような手当は労働者の個人的事情や特定の労働対価ではないため、最賃の計算から除外されるものになります。

判断に迷う手当は?

これらの手当は支給基準にもよりますが、一般的には最低賃金の計算から除外されるため、給与体系を見直す際は、これらの手当を基本給やその他の手当に組み込むことを検討する必要があります。

最低賃金の計算方法

1.時間給制の場合

そのまま地域の最低賃金時間額と比較します。

2.日給制の場合

日給を、その日の所定労働時間数で割って時間額を算出します。

3.月給制の場合

月給から除外される賃金を除いた額を、月平均所定労働時間で割って時間額を算出します

  1. 【月平均所定労働時間の算出】
  2. 1.年間の所定労働日数を計算(例:365日 – 120日(休日) = 245日)
  3. 2.年間の所定労働時間数を計算(例:245日 × 8時間 = 1,960時間)
  4. 3.1ヶ月平均所定労働時間数を計算(例:1,960時間 ÷ 12ヶ月 ≒ 163.33時間)

特に月給者は時給換算を怠ると、気づかないうちに最賃割れしていることもあります。

自社の年間カレンダーに基づき、正確な月平均所定労働時間を算出しておきましょう。

事業所が他の県にもある場合は?

最低賃金は、労働者の「働いている事業場の所在地」の最低賃金が適用されます。

例)本社が東京、支店が熊本にあるにある場合
  熊本の支店で働く労働者は熊本の最低賃金が適用されます。

給与設計の見直し

前述の通り、最低賃金から除外される手当は多くあります。

  1. 【具体的な見直し策】
  2. 1.精皆勤手当の廃止または基本給への組み入れ: 皆勤を前提とせず、その分の原資を基本給に上乗せする
  3. 2.家族手当の職務手当化: 家族の有無によらず、職務や役割の難易度に応じて支給される手当として再定義し、基本給に近い性格を持たせる
  4. 3.通勤手当の実費精算化: 定額支給をやめ、完全に実費精算にする

※賃金体系の変更には、不利益変更とならないように細心の注意が必要です。

最賃を下回った場合の罰則

最低賃金は「強制法規」であり、違反すると厳しい対応が求められます。

1. 罰則

最低賃金法第40条:50万円以下の罰金

企業だけでなく、経営責任者や担当者が対象となる場合もあります。

2. 行政指導・是正

労働基準監督署からの是正勧告により、
過去に遡って不足分を支払う義務が発生します。

3. 付加金の可能性

悪質と判断されると、
未払い額と同額の「付加金」の支払いが命じられることもあります。

まとめ:毎年のチェックが企業を守る

最低賃金は毎年見直され、特に近年は大幅な上昇が続いています。

賃金体系が複雑な企業ほど、対象となる手当・対象外の手当の判断が難しく、意図せず法令違反になるリスクがあります。

2025年の最低賃金改正は、経営者にとって避けられないコスト増の波ですが、同時に、これまでの給与体系や雇用慣行を見直し、企業の付加価値を高める絶好のチャンスでもあります。

最低賃金の上昇を「単なるコスト」と捉えるのではなく、「優秀な人材を惹きつけ、定着させるための投資」と再定義し、同一労働同一賃金、職務給・役割給への移行、そしてパートタイマーのキャリアパス整備といった戦略的な人事施策を実行に移すことが、この新しい時代を勝ち抜く鍵となります。

人事労務担当者の方々は、最低賃金が適切に支払われるように対応すると同時に、未来志向の給与設計へと舵を切るきっかけにしていただけたらと思います。

〈この記事を書いた人〉
山下 謙治
Kenji Yamashita
社会保険労務士法人 プロセスコア 代表
日越協同組合 監事
社会保険労務士・行政書士・マイケルボルダック認定コーチ
日産鮎川義塾 師範代 九州本校 塾長

社会保険労務士として人事・労務の課題解決を通じて地元熊本を中心に中小企業の経営支援20年のキャリアを持つ。従来の社会保険労務士の業務だけでなく、管理職育成を中心とした教育研修事業や評価制度導入支援を行い、経営者が抱える、組織上の悩みや課題解決の支援を行っている。得意とする業務は、起業から5年目以降の発展期における組織強化・拡大期の採用・教育・評価・処遇といった人事制度づくりの支援。

最近の講演内容
「社員の評価制度と賃金制度のあり方」 肥銀ビジネス教育株式会社主催
「欲しい人材を引き寄せる!求人募集と採用選考の見極め方セミナー」株式会社TKUヒューマン主催

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直近1ヶ月から2ヶ月の労働行政の動きや新聞記事をまとめたものです。
今後の人事・労務関連の次の一手を打つための情報として、是非ご一読下さい。

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1. 従来の保険証 3月末まで利用可を周知(11/14)

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12月2日から「マイナ保険証」へ完全移行するのに伴い、厚生労働省は12日、2026年3月末までは従来の健康保険証でも窓口で使用できる特例措置に関する事務連絡を、医療関係団体などに発出した。75歳以上の後期高齢者や国民健康保険の保険証は今夏に期限切れとなっているが、同様の対応を取っている。

2. 厚労省 農林水産業も労災保険加入義務化の方針(11/20)

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厚生労働省は20日、現在労災保険の加入が任意となっている農林水産業の小規模事業者について、加入義務化の方針を決めた。来年の通常国会で労災保険法の改正を目指す。義務化されると最大約16万の事業者が新たに労災保険に入る見通し。

3. カスハラ対策の指針素案示される(11/17)

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厚生労働省は17日、カスタマーハラスメント(カスハラ)をめぐり、該当する典型的な例や事業主が講ずべき措置等をまとめた指針素案を、労働政策審議会に示した。社会通念上許容される範囲で行われる正当な申入れや障害者が社会的障壁の除去を求める意思表明等はカスハラに当たらず、合理的な配
慮をしなければならないと明記。また、全ての企業にカスハラ対策を義務づける改正法の施行日を令和8年10月1日とする案も示した。

4. 同一労働同一賃金指針、退職金・住宅手当を追加へ(11/21)

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厚生労働省は21日、働き方改革関連法の施行5年後見直しによる同一労働同一賃金指針の見直し案を明らかにした。最高裁判決で待遇差の合理性に関する判断が示された6項目(退職手当、無事故手当、家族手当、住宅手当、夏季冬季休暇、褒賞)の追加等を行う方向。見直し案は年内に労働政策審議会の部会で取りまとめられ、年明けに同審議会への諮問・答申を経て告示される見通し。

5. 病院への賃上げ補助金 国から直接支給(12/4)

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政府は、2025年度補正予算案に計上した医療分野の賃上げ・物価高対策の補助金について、年度内に迅速に届けるため、国公立を含む約8,000の病院に対しては都道府県を介さず国から直接支給する方針を決定した。赤字経営が深刻化している病院が多い状況を踏まえた判断。診療所や薬局など約24万施設への支援は都道府県を通じ、申請を出した施設に支給する。

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従業員の健康を把握し、病気の早期発見や予防、業務と健康状態の適合性を確認することを目的とした定期健康診断は法令により年1回以上行うことを義務づけられています。

今回は、定期健康診断の流れや実施後の対応について、わかりやすく解説します。

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定期健康診断とは?

企業が年に1回、常時使用するすべての従業員に実施する健康チェックです。

● 対象となる従業員

正社員はもちろん、パート・アルバイトなどの雇用形態を問わず、「常時使用」にあたる以下のような従業員が対象です。

健康診断の扱い(受診時間・費用)

受診時間の賃金

企業が判断できますが、厚生労働省は「支払うことが望ましい」としています。

健診費用

企業が全額負担する必要があります。
ただし、法定外検診(がん検診など)を追加する場合は、企業の負担はありません。

協会けんぽの補助制度

35歳~74歳の協会けんぽ加入の被保険者本人が一般健診を受診する際、費用の一部を協会けんぽが負担してくれる制度になりますので一度ご確認下さい。

健康診断後に必要なフォロー

1.結果通知

異常の有無に関わらず、すべての従業員へ結果を通知しなければなりません。

2.医療機関受診・保健指導・二次健診の勧奨

「異常の所見」があった場合、下記の実施をすすめる必要があります。

特に、脳・心臓疾患に関連する4項目すべてで異常がある場合は、労災保険を使って無料で二次健康診断を受けることが可能です。

3.医師の意見聴取

異常が見つかった場合、医師の意見を聴き、

のいずれかを判断してもらいます。

4.就業上の措置

医師の意見をもとに、企業は必要な措置を講じます。
例えば、勤務時間の短縮や配置転換、治療のための休暇など従業員と十分に話し合いながら決めることが大切です。

5.健康診断個人票の作成・保存

企業は、従業員ごとの健康診断結果をまとめた健康診断個人票(厚生労働省HPより)を作成し、5年間保存することが義務付けられています。

6.労働基準監督署への報告(常時使用する従業員50名以上の)

常時使用する従業員が50名以上の企業は、「定期健康診断結果報告書」を作成し労働基準監督署に提出します。

2025年1月からは電子申請が義務化されました。

おわりに

健康診断を実施していない、結果通知をしていない、保存していない――

こうした不備があれば、50万円以下の罰金を科される可能性があります。

企業も従業員も安心して働くために、毎年の健康診断と適切なフォロー体制を、計画的に整えていきましょう。

〈この記事を書いた人〉
山下 謙治
Kenji Yamashita
社会保険労務士法人 プロセスコア 代表
日越協同組合 監事
社会保険労務士・行政書士・マイケルボルダック認定コーチ
日産鮎川義塾 師範代 九州本校 塾長

社会保険労務士として人事・労務の課題解決を通じて地元熊本を中心に中小企業の経営支援20年のキャリアを持つ。従来の社会保険労務士の業務だけでなく、管理職育成を中心とした教育研修事業や評価制度導入支援を行い、経営者が抱える、組織上の悩みや課題解決の支援を行っている。得意とする業務は、起業から5年目以降の発展期における組織強化・拡大期の採用・教育・評価・処遇といった人事制度づくりの支援。

最近の講演内容
「社員の評価制度と賃金制度のあり方」 肥銀ビジネス教育株式会社主催
「欲しい人材を引き寄せる!求人募集と採用選考の見極め方セミナー」株式会社TKUヒューマン主催

給与計算業務や社会保険手続代行、労使間の法律問題、採用・組織づくりのご相談なら社会保険労務士法人プロセスコアへご相談ください!
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