社会保険労務士@山下謙治

いつもお世話になっております。プロセスコアの山下です。

企業が安定的に業績を上げるためには、効率的かつ戦略的な人件費管理が必要です。

今回のコラムでは、企業が今後5年間で人件費をどのように管理し、業績向上につなげるかをまとめました。

人件費管理の経験が浅い経営者や人事担当者向けに、大まかではありますが以下の5つのポイントに絞って解説しました。
是非ご一読ください。

ステップ1. 人件費の予測と計画

まずは、今後5年間の社員の人件費の推移を把握します。

過去の法定福利費も含めた人件費の推移や市場の動向(競合他社や賃上げ率等)を分析し、将来の給与総額の推移を予測します。

これにより、予期せぬ経費増加を防ぐことができます。

ステップ2. 効率的な人員配置

付加価値と労働生産性を基に、各部門やプロジェクトに必要な社員数を見直します。

人員を必要とする部門には適切な数の社員を配置し、生産性の低い部門や仕事では業務プロセスの改善や技術やシステム導入、コスト削減案として外注やパート社員にも任せることができる業務がないか等を検討します。

普段からどの業務にどれくらいの人と時間が割かれているのか?「感覚」ではなく、「数字」で検証できるようにデータを取っておくことが理想です。
また、社員はより戦略的で価値の高い業務に専念できるように検討することも重要です。

人員配置は、現在の業務量や将来の事業展望を考慮する必要があります。
昨今の市場動向や技術革新が早い状況下では、求められるスキルも変わりますので、必要に応じて教育研修を行い、既存の社員の再配置も検討します。

ステップ3. 正社員と臨時雇用者・外部委託者のバランス

常用雇用者の適正数を決定した後、必要に応じて臨時雇用者や外部委託者の活用を計画します。

繁忙期や特定のプロジェクトに臨時雇用者を配し、コスト効率を高めることが可能です。

これにより、柔軟かつ効率的な人員配置が実現します。

ステップ4. 総人件費の管理

全社員(正社員と臨時雇用者や外部委託者)の人件費を総合して管理します。

予算内で最適な人材を確保するためには、労働分配率や目標とする粗利益高や売上高、売上を構成の商品単価や販売数目標、「誰に何を売るか?どう売るか?」を設定し、それを基に年間の人件費を計画することが肝心です。

ステップ5. 労働分配率の定期的チェック

計画が完成した後も売上に占める人件費の割合(労働分配率)を定期的にチェックします。

以上の5つのステップです。

業種業態によって、計画を立てる上での複雑さや注意しなければいけない点は多岐にわたりますが、基本的にはこれらのステップを踏むことで、人件費を効果的に管理しつつ、企業の持続的な成長を図ることが可能です。
各ステップは相互に関連しており、経営者の方針のもと、一貫した戦略の下で計画的に実行することが肝心です。

今回のコラムは以上となります。

お読み頂き、ありがとうございました。

〈この記事を書いた人〉
山下 謙治
Kenji Yamashita
社会保険労務士法人 プロセスコア 代表
日越協同組合 監事
社会保険労務士・行政書士・マイケルボルダック認定コーチ
日産鮎川義塾 師範代 九州本校 塾長

社会保険労務士として人事・労務の課題解決を通じて地元熊本を中心に中小企業の経営支援20年のキャリアを持つ。従来の社会保険労務士の業務だけでなく、管理職育成を中心とした教育研修事業や評価制度導入支援を行い、経営者が抱える、組織上の悩みや課題解決の支援を行っている。得意とする業務は、起業から5年目以降の発展期における組織強化・拡大期の採用・教育・評価・処遇といった人事制度づくりの支援。

最近の講演内容
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直近1ヶ月から2ヶ月の労働行政の動きや新聞記事をまとめたものです。
今後の人事・労務関連の次の一手を打つための情報として、是非ご一読下さい

== 最近の動き(Topics)===========

1.企業の障害者雇用100万人突破(3/29)
2.フリーランスの育児介護配慮「6カ月以上」の委託で義務化(3/29)
3.「特定技能」受入れ拡大へ(3/19)
4.訪問介護「特定技能」も可能に(3/23)
5.社員の健康増進を図る中小向け補助金創設(3/22)
6.企業向け外国人雇用責任者育成研修開始(3/19)
7.「育成就労」創設を盛り込んだ改正法案が国会提出(3/16)
8.大卒内定率が91.6%に(3/16)
===============================

1.企業の障害者雇用100万人突破(3/29)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2023年に全国の民間企業で雇われた障害者は110.7万人(18年の前回調査から25.6万人増)となったことがわかった(「障害者雇用実態調査」27日厚生労働省発表)。内訳は身体障害52.6万人、知的障害27.5万人、精神障害21.5万人、発達障害9.1万人で、いずれも増加。正社員の割合は身体障害で約6割、その他は2~3割台。平均賃金は身体障害で23.5万円、その他は13万~14.9万円。

2.フリーランスの育児介護配慮「6カ月以上」の委託で義務化(3/29)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
厚生労働省は、フリーランス新法(11月頃施行予定)で義務付ける委託元企業による就業環境の整備等に関する骨子案を28日の検討会で示し、了承された。フリーランスで働く人を保護するため、出産・育児や介護と仕事が両立できるような必要な配慮を義務付ける業務委託の期間は「6カ月以上」とし、6カ月未満は、努力義務とする。
一方、取引適正化に関する業務内容等の書面による明示や不当な報酬減額等を禁止する期間は「1カ月以上」とされた。

3.「特定技能」受入れ拡大へ(3/19)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
政府は18日、国内の労働力不足を補うためとして、今後5年間の在留資格「特定技能」の受入れ見込み数の枠を82万人とする方針を自民党に示した。枠は5年ごとに設定することとされており、2019年には34万5,150人と設定していたが、新型コロナの水際対策などで受入れが想定を下回り、昨年末時点の在留者数は20万8,462人。

4.訪問介護「特定技能」も可能に(3/23)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
現在、「介護」の在留資格者と「EPA介護福祉士」に限っている外国人の訪問介護への従事について、制限を緩和する案を厚生労働省が22日の検討会で示し、了承された。
介護職員初任者研修の修了等を要件として、施設介護従事者と同様の「EPA介護福祉候補者」、「技能実習」、「特定技能」まで拡大する。2025年度の実施をめざす。

5.社員の健康増進を図る中小向け補助金創設(3/22)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
厚生労働省は2024年度、社員の健康増進を促す中小企業に対して補助金を出す。
理学療法士ら専門家による体力チェックや運動を実施するなどした場合に、費用の4分の3を給付(上限100万円)するもので、対象となる労働者の年齢は問わない。
5月にも実施計画の受付を開始し、審査を経て補助を決定する。

6.企業向け外国人雇用責任者育成研修開始(3/19)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
厚生労働省は、3月下旬から外国人を雇用する企業の労務担当者向けに、1回3時間半で在留管理制度や労働関係法令、コミュニケーション方法などを学ぶ研修を始める。
指針で雇用労務責任者の選任を求めているが選任していない企業が多いとみられ、関連法令の理解不足や言葉の壁を要因とした労使トラブルや違法行為が目立つため、研修を通じて底上げを図り、雇用労務責任者の選任を促す。

7.「育成就労」創設を盛り込んだ改正法案が国会提出(3/16)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
外国人技能実習制度を廃止し、「育成就労」制度を創設することを柱とする入国管理・難民認定法などの改正案が、15日に閣議決定、衆議院に提出された。新制度では、1~2年働けば本人の意向で同じ業種での転籍が可能となる。受入れ企業には「育成就労計画」の作成を求め、監理団体には外部監査人の設置を義務付ける。今国会で成立すれば、2027年までに運用が始まる見通しで、経過措置として新制度開始前に来日した技能実習生は所定の期間を終えるまで在留を認める。

8.大卒内定率が91.6%に(3/16)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
文部科学省・厚生労働省による15日の発表によると、今春の大卒予定者の就職内定率は91.6%(2月1日時点。前年同期比0.7ポイント上昇)で、1996年度の調査開始以来3番目に高い水準となった。

出典:(株)日本法令 SJS Express

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いつもお世話になっております。
プロセスコアの山下です。

今回のコラムは、最近増えてきているオンラインによる企業内の業務委託サービスを紹介したいと思います。

オンラインの外部委託サービスとは、対面ではなく、オンラインでのサービスにはなりますが、企業が直面する人手不足、人件費の負担、中核的な業務への集中困難などの問題への解決アプローチできる注目のサービスです。

経理、人事、総務から営業、マーケティングやSNS運用に至るまでの多様なニーズに応えてくれるサービスがあります。

弊社の場合は、オンラインに限らず人事労務管理の分野に特化して業務の代行をさせて頂いておりますが、それ以外の幅広い業務分野に対応できるところが最近のオンライン業務委託サービスの特徴です。

人口減少により人材の獲得がどんどん難しくなっている状況で、かつ生産性の向上を求められている昨今では、外部委託を上手に活用する選択肢を持っておくと有利です。

オンライン業務委託サービスには、さまざまな専門家とのマッチングサイトや、連絡窓口となるディレクターが委託したい業務内容をヒアリングし、適切な専門人材をコーディネイトしてくれるサービスなどがあります。

ここでは、オンライン業務委託サービスを活用するメリットや、実際に利用する際の注意点をお伝えします。

オンライン業務委託サービスのメリット

メリットは主に3つあります。

1.社内の人材を企業内のコア業務に集中させることができる
2.社内で得られない、知見や専門分野のノウハウが得られる
3.得たい結果がスピード感をもって得られる

1.社内の人材を企業内のコア業務に集中させることができる

企業内の幅広い部門において、外部に委託できない業務、社内で検討し実行しなければならない業務に人材を集中させやすくなります。

2.社内で得られない、知見や専門分野のノウハウが得られる

都市圏の大企業や上場企業では、優秀な人材の獲得や育成のために役員や社員の副業を認めるところも増えてきており、そのような人材に直接、自社の業務の相談や委託をお願いすることができます。
おそらく、社内でそのような人材を採用し教育することは難しく、出来たとしてもかなりの時間を要すしますが、このサービスを活用すると企業の業務効率化を大きく進めることが可能です。
さらに、打ち合わせを進める過程で、社内では得られない知見や専門分野のノウハウが得られるため、社内人材の育成にも繋がります。

3.得たい結果がスピード感をもって得られる

前述の2と同じく専門性の高い人材に業務委託ができると、社内での採用・教育にかかる時間を大幅に短縮させることができ、スピーディーに得たい結果が得られます。

オンライン業務委託サービスを依頼する場合の注意点

サービスを依頼する場合の注意点が2つあります。

1.企業理念・ヴィジョン、依頼したい業務と求める人材の要件定義を明確にする
2.ミスマッチが起こりやすいので、候補者に提案や過去の実績を紹介してもらう

1.企業理念・ヴィジョン、依頼したい業務と求める人材の要件定義を明確にする

マッチングサイトでは特にいえることですが、オンライン業務委託のサービスに限らず、人材を直接募集する場合と同じで、応募者側から応援したいと思ってもらえるだけの思いや熱意が分かる企業情報が掲載されていることが重要です。
相手側も顧客を選ぶ権利を持っています。こちらも選ばれる努力が必要です。
仕事内容や、その仕事を遂行するために求めるスキル、能力、経験をできるだけ明確に提示することをお勧めします。

2.ミスマッチが起こりやすいので、候補者に提案や過去の実績を紹介してもらう

こちらも人材を直接採用する場合と同じく、外部委託する人材のこれまでの経験や能力を推し量らないとミスマッチが起こりやすくなります。
最初の面談の際に、頼みたい業務をどのようにして進めるのか、提案や簡単なプレゼンをお願いしたり、職務経歴書や過去の仕事の成果物や実績を確認し、自社の業務遂行に必要なキャリアや実力を兼ね備えた人物かどうか見極めることが重要です。

現在、弊所でも実際にオンライン業務委託サービスを活用しております。

そこで一例として、弊所が利用しているオンライン業務支援サービス「Cocrea Biz(コクリエビズ)」をご紹介致します。
こちらのサービスは、C-design株式会社様が提供されています。

弊所がどのように利用させて頂いているかというと、弊所のSNS広告やホームページのSEO対策、DM、見込み客(企業様)向けの企業紹介資料の作成など、Webマーケティングや広報活動を担って頂いております。

実際に制作して頂いた、企業向け説明資料をご紹介します。
「ホームページのこの部分を抜粋して作成してください。」といった大まかな指示のみで1ヶ月分の料金5万円で制作頂きました。

jimusyoannnai

弊社の広報担当者の教育と専門分野のナレッジの蓄積も兼ねているため「結果を出すこと」と「教育」を一石二鳥でやれており、とても助かっております。

利用料金は、利用時間や契約期間に応じて変動し、柔軟なプランが用意されているため、企業の固定費の削減、生産性の向上の両方を目指すことができます。

Cocrea Biz(コクリエビズ)」のサービスの詳細はこちらからご確認ください。

人材の直接採用だけでなく、外部委託という人材リソースの選択肢も、ぜひご検討ください。

今回のコラムは以上です。

お読み頂き、ありがとうございました。

〈この記事を書いた人〉
山下 謙治
Kenji Yamashita
社会保険労務士法人 プロセスコア 代表
日越協同組合 監事
社会保険労務士・行政書士・マイケルボルダック認定コーチ
日産鮎川義塾 師範代 九州本校 塾長

社会保険労務士として人事・労務の課題解決を通じて地元熊本を中心に中小企業の経営支援20年のキャリアを持つ。従来の社会保険労務士の業務だけでなく、管理職育成を中心とした教育研修事業や評価制度導入支援を行い、経営者が抱える、組織上の悩みや課題解決の支援を行っている。得意とする業務は、起業から5年目以降の発展期における組織強化・拡大期の採用・教育・評価・処遇といった人事制度づくりの支援。

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直近1ヶ月から2ヶ月の労働行政の動きや新聞記事をまとめたものです。
今後の人事・労務関連の次の一手を打つための情報として、是非ご一読下さい

== 最近の動き(Topics)===========

1.日本で就職する留学生の在留資格変更 柔軟に(3/1)
2.男性育休 100人超の企業に取得目標設定義務化(2/26)
3.在留カードと一体にした新マイナカード発行(2/26)
4.中堅企業の賃上げ 重点支援(2/17)
5.30年度に向けた物流対策指針まとまる(2/17)
6.子ども・子育て支援法等改正案 閣議決定(2/16)
===============================

1.日本で就職する留学生の在留資格変更 柔軟に(3/1)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
出入国在留管理庁は2月29日、在留資格に関連する告示と運用指針を改正した。
専門学校等を卒業した留学生に日本での就職を促すため、文科相の認定課程を修了した学生らが日本で働く場合に、在留資格を「留学」から高度人材に相当する「技術・人文知識・国際業務」に変更する際、専攻科目と就業分野の関連性が低くても認めるなど、従事できる業務の幅を広げる。

2.男性育休 100人超の企業に取得目標設定義務化(2/26)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
厚生労働省は、従業員100人超の企業に対し、一般事業主行動計画への男性従業員の育児休業取得率の目標値設定と公表を義務付ける次世代育成支援対策推進法の改正案を、今国会に提出する。約5万社が対象で、2025年4月施行を目指す。
100人以下の企業に対しては、目標値の設定を努力義務とする。

3.在留カードと一体にした新マイナカード発行(2/26)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
政府は、外国人の在留カードとマイナンバーカードを一体にした新たなカードを発行する。新たなカードは表面に氏名、国籍、在留資格の種類、就労の可否、裏面にマイナンバー情報などを記載する方針。3月中に出入国管理法改正案など関連法案を国会に提出し、システムを改修した後、2025年度に希望する外国人から
受付を開始する。

4.中堅企業の賃上げ 重点支援(2/17)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
政府は16日、産業競争力強化法の改正案を閣議決定した。従業員2,000人以下の企業を「中堅企業」と定義し、賃上げ等の重点支援を行う。これまで大企業と同等に扱われ、中小企業と比べて税制面での支援が手薄だったが、設備投資減税や法人税の減税により
成長の後押しをし、経済の底上げと賃上げ拡大につなげる。年内の成立、施行を目指す。

5.30年度に向けた物流対策指針まとまる(2/17)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
政府は16日、「物流の2024年問題」の対策指針となる中長期計画をまとめた。24年度にトラック運転手の賃金を10%引き上げるほか、30年度までに荷待ち時間を1人当たり年間125時間削減することや、共同配送を促して積載率を6ポイント高めて44%にする
ことなどを目指す。こうした取組みを事業者に義務づけるため、物流関連2法の改正案も国会に提出されている。

6.子ども・子育て支援法等改正案 閣議決定(2/16)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
政府は16日、子ども・子育て支援法などの改正案を閣議決定した。児童手当や育児休業給付の拡充のほか、すべての子育て家庭が保育を受けられる「こども誰でも通園制度」創設など、給付の拡充と保育サービスの強化が両輪。必要となる財源3.6兆円を確保するための「子ども・子育て支援金」の創設では、公的医療保険に上乗せして徴収し、28年度に約1兆円を確保する。
今国会中の成立を目指す。

出典:(株)日本法令 SJS Express

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社員を採用した際に必要となる入社手続きは労務担当者の重要な業務です。

新入社員採用時に、雇用契約書等の必要な書類の準備や各種手続(健康保険や厚生年金などの社会保険や、雇用保険手続)を速やかに行うことは社員からの企業への信頼感を高めます

以下に準備しなければいけない事項をまとめましたのでご確認ください。

入社前に準備しておくこと

1.雇用契約書や誓約書の作成・締結

できれば、入社日前に雇用契約書や誓約書を作成し、読み合わせをしながら新人社員に説明して、サインをもらっておくことが望ましいです。
入社日前の交付が出来ない場合でも、採用後に早めに作成し、サインを取り交わすことをお勧めします。

主な契約書・誓約書関係の例
・・・雇用契約書、入社誓約書、身元保証書、機密保持誓約書、自家用車通勤許可申請書

2.備品関係やネット環境の準備、教育計画の作成

入社前に社員に貸与する備品やIDを手配して、すぐに職場環境にスムーズに適応できる準備を行うことが大切です。
また、教育計画を早めに作成し、スケジュールを確保しておくと新人社員が入社後の早い段階で社内のルールを理解し、組織に順応するのが早くなります

3.雇用保険・社会保険・税務関係手続き等その他の回収するもの

新入社員を採用したときに、社会保険関係の手続を速やかに行うことも、企業に対する信頼度UPに繋がります。
入社後、以下の事項の書類等の回収を速やかに行いましょう。

1.雇用保険被保険者証…雇用保険手続に必要な書類(新卒入社で前職ない場合は不要
2.マイナンバー(例…住民票記載事項証明書や通知カード・マイナンバーカード写し)雇用保険・社会保険に必要
3.源泉徴収票…前職があり、年内中に給与の支払いを受けている場合、年末調整で必要
4.給与所得者の扶養控除等(異動)申告書…給与計算の税額計算や社会保険扶養対象者確認に必要
5.給与振込先届出書…給与の支払口座確認に必要
6.各種手当支給届出書・資格証明書…社内で規定されている各種手当の支給対象か確認に必要
7.健康診断書…入社前に準備してもらうか、入社後速やかに健康診断実施

今回のコラムは以上です。
お読み頂き、ありがとうございました。

〈この記事を書いた人〉
山下 謙治
Kenji Yamashita
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== 最近の動き(Topics)===========

1.「2024年問題」に対応 ~物流関連2法を改正(1/31)
2.特定技能に4分野追加を検討(1/28)
3.外国人労働者が最多の204万人に(1/28)
4.フルタイム労働者の平均月給31.8万円に 厚生労働省統計(1/25)
5.実質賃金 20カ月連続で減少(1/10)
6.自己都合退職の失業給付 1カ月早く(1/5)
===============================

1.「2024年問題」に対応 ~物流関連2法を改正(1/31)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「物流2024年問題」に対応するため、政府が検討している物流総合効率化法と貨物自動車運送事業法の改正の概要がわかった。一定規模の荷主に荷待ち時間を減らす改善計画策定と取組状況の報告を義務付け、社内に「物流統括管理者」の配置を求める。元請け業者には、下請け状況管理簿の作成を義務付ける。2月に閣議決定し、今国会に提出する方針。

2.特定技能に4分野追加を検討(1/28)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
政府は、在留資格「特定技能」に4分野(自動車運送、鉄道、林業、木材産業)の追加を検討している。追加には省令改正が必要で、2023年度内の閣議決定を目指す。また、既存の飲食料品製造分野、産業機械製造業分野については、対象業務の追加を検討している。

3.外国人労働者が最多の204万人に(1/28)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
厚生労働省の26日の発表で、国内の外国人労働者が204万8,675人(2023年10月末時点。前年同期比12.4%増)となり、過去最多に上ったことがわかった。国籍別では、ベトナム51万8,364人、中国39万7,918人、フィリピン22万6,846人の順。
外国人労働者を雇用する事業所も31万8,775事業所で過去最多となり、うち61.9%は従業員数30人未満の事業所がを占める。

4.フルタイム労働者の平均月給31.8万円に 厚生労働省統計(1/25)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
24日、厚生労働省が2023年の賃金構造基本統計調査の速報値を発表した。
例年3月頃調査結果を発表してきたが、春闘での賃上げ交渉の参考とするため、今年から速報値を発表することとされた。フルタイム労働者の所定内給与は31万8,000円(月額。前年比2.1%増)で、過去最高だった。伸び率は1994年以来29年ぶりの高さとなり、特に34歳以下の若年層と60歳以上の層で大きく伸びた。

5.実質賃金 20カ月連続で減少(1/10)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
厚生労働省が10日に発表した2023年11月の毎月勤労統計調査(速報)によると、労働者1人当たりの平均賃金を示す現金給与総額(名目賃金)に物価変動を考慮した実質賃金が前年同月比3.0%減で、20カ月連続の減少となった。
名目賃金は同0.2%増で、統計開始以降最長と並ぶ23カ月連続の前年同月比増と上昇傾向にあるものの、物価の上昇が3%台で続いており、実質賃金のマイナス幅は10月の2.3%減から0.7ポイント拡大した。

6.自己都合退職の失業給付 1カ月早く(1/5)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
厚生労働省の労働政策審議会が10日、雇用保険制度の改正に向けた報告書を提出した。転職の妨げになると指摘されていた失業給付の給付制限について、自己都合退職は2カ月以上かかっていたが、1カ月に短縮する。このほか、在職中にリスキリングに取り組んでいたことを条件に、自己都合でも会社都合と同じ期間受給できるようにする。通常国会に関連法案を提出し、2025年度の実施をめざす。

出典:(株)日本法令 SJS Express

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今回のコラムは職場のハラスメント(いじめ・いやがらせ)予防対策がテーマです。

というのも、一昨年辺りから企業内ハラスメントの予防研修の依頼を受ける頻度が増えてきており、地元の中小企業の経営者様や人事担当者様も身近な問題として捉えていらっしゃる方が多いのではないかと考えるからです。

そこで、ハラスメメントの発生状況と発生要因、中小企業において具体的に取り得る予防策について書かせて頂きました。
是非ご一読ください。

ハラスメントといっても職場内で起こるものは、異性間で起こるセクシャルハラスメントや優越的な立場を利用して起こるパワーハラスメント、社員同士の無視やいじめといったモラルハラスメント、妊娠・出産を理由に起こる嫌がらせといったマタニティハラスメントなど多岐に渡ります。

ハラスメントの発生状況
発生状況は下記のグラフをご覧ください。
個別労働紛争の相談案件別推移のデータに着目すると、他の相談案件に比べ、ハラスメントの発生頻度が多いことがわかります。

ハラスメントの発生要因

このようなハラスメント問題が起こる要因について、私が今までに頂いた労務相談の経験を基に分析すると、主に2つの要因が上げられます。

1.世代間での価値観のギャップがある

一概にはいえませんが、例えば現在40代以上の世代の人が育ってきた家庭環境、学校や企業では、親や先生、企業の上司・先輩との関係は、今の20~30代の若い世代と比べて上下関係が厳しく、上の人が下の人に高圧的であったり、また成果重視が強く厳しい要求を求められてきている人が多いため、そのような環境で育ってきていない若い世代の人からすると、40代以上の世代の価値観は受入れ難く、ハレーションをおこしてしまう傾向があります。

2.ハラスメントをしている人にハラスメントをしているという自覚がない

1.に関連することですが、自分たちの世代では当然だった、当たり前だったという認識ですので加害者自身に特段ハラスメントをしているという自覚がないということが問題を引き起こし、問題の影響の長期化をさせているように思います。

中小企業におけるハラスメント予防対策
では、中小企業がそのような問題を予防するため、どのような対策が有効でしょうか?
主な対策は3つです。

職場のハラスメント予防3つの対策
1.従業員への教育研修
2.相談窓口の設置
3.定期的なアンケート実施

1.従業員への教育研修

先程ハラスメントの要因で上げた世代間ギャップやハラスメントを行っている自覚がないことが大きな要因であることから、教育研修を通じて、ハラスメントの定義、事例、企業に与える影響について理解を深める研修を実施することをお勧めします。
また、管理職の方に対しては、実際にハラスメントが起こった場合の適切な対応策についての学習も重要です。

2.相談窓口の設置

ハラスメントが起きた時、誰に相談すればよいか明確に定めて、職場内で周知しておくことが必要です。
その際、相談窓口となる人は複数置きます。この人には相談しやすい、しづらいといったことが起こり得るためです。
さらに重要なのは、相談窓口への適切な人員の配置です。相談窓口には職場の多くの人から信頼され、相談があった時に相談者の話を否定せず、傾聴し、共感を示せる人が望ましいです。

3.定期的なアンケート実施

定期的な職場環境や労働条件の満足度、リクエスト調査と併せてハラスメントをここ1年で受けていないか、他の人が受けていないかといったアンケート項目を追加し、実施することをお勧めします。

今回のコラムは以上です。

ハラスメントはどこの職場でも、誰でも引き起こす可能性がある問題です。
例えば、自動車の免許更新の研修ではないですが定期的な学習の機会を設けることが予防効果を高めます。

弊所でも、企業向けのハラスメント予防研修をリアル・オンライン開催どちらも請け負っております。
必要な企業様がいらっしゃいましたら是非お問い合わせください。

ハラスメント研修の詳細・お申込はこちら
 https://process-core.com/seminar/harassment

お読み頂き、ありがとうございました。

〈この記事を書いた人〉
山下 謙治
Kenji Yamashita
社会保険労務士法人 プロセスコア 代表
日越協同組合 監事
社会保険労務士・行政書士・マイケルボルダック認定コーチ
日産鮎川義塾 師範代 九州本校 塾長

社会保険労務士として人事・労務の課題解決を通じて地元熊本を中心に中小企業の経営支援20年のキャリアを持つ。従来の社会保険労務士の業務だけでなく、管理職育成を中心とした教育研修事業や評価制度導入支援を行い、経営者が抱える、組織上の悩みや課題解決の支援を行っている。得意とする業務は、起業から5年目以降の発展期における組織強化・拡大期の採用・教育・評価・処遇といった人事制度づくりの支援。

最近の講演内容
「社員の評価制度と賃金制度のあり方」 肥銀ビジネス教育株式会社主催
「欲しい人材を引き寄せる!求人募集と採用選考の見極め方セミナー」株式会社TKUヒューマン主催

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直近1ヶ月から2ヶ月の労働行政の動きや新聞記事をまとめたものです。
今後の人事・労務関連の次の一手を打つための情報として、是非ご一読下さい

== 最近の動き(Topics)===========

1. 国民年金 子1歳まで保険料免除(12/27)
2. 東証プライム上場企業の女性役員比率 25年までに19%に(12/26)
3. 健康保険証 マイナ保険証への一本化は2024年12月(12/22)
4. 65歳以上の介護保険料 所得420万円以上で引上げ(12/21)
5. 診療報酬 全体で改定率マイナス0.12%に決定 (12/20)
6. 介護2割負担の拡大 見送り(12/20)
7. トラック運賃 指標見直し(12/16)
8. 厚労省改正案 雇用保険加入要件「週10時間以上」に緩和(12/14)
===============================

1. 国民年金 子1歳まで保険料免除(12/27)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
厚生労働省は、国民年金の第1号被保険者を対象に、子どもが1歳になるまでの保険料を免除する方針を固めた。母親だけでなく父親や養父母も対象とし、出生日から最大12カ月(産前・産後の4カ月免除されている母親は免除期間終了後9カ月)免除する。自営業者の子育て世帯の負担を軽減させるのが狙い。2026年度中の実施予定で、2024年通常国会での法案成立を目指す。

2. 東証プライム上場企業の女性役員比率 25年までに19%に(12/26)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
岸田首相は25日の男女共同参画会議で、2025年までに東京証券取引所プライム市場の上場企業の女性役員比率を19%に引き上げ、女性役員を登用していない企業をゼロにする方針を示した。政府の、2030年までに女性役員比率30%以上を目指すという目標の中間目標と位置付け、とする。
「第5次男女共同参画基本計画を一部変更する。

3. 健康保険証 マイナ保険証への一本化は2024年12月(12/22)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
政府は21日、現行の健康保険証を2024年12月2日に廃止する方針を固めた。22日の閣議で廃止日を定める政令を決定する。「マイナ保険証」に事実上、一本化され、同日以降は新規発行が停止される。発行済みのものは有効期限内であれば最長1年間は使用可能。マイナカードを持たない人には「資格確認書」を発行して対応する。

4. 65歳以上の介護保険料 所得420万円以上で引上げ(12/21)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
厚生労働省は、65歳以上の所得上位層の介護保険料に関し、2024年度から引き上げる方針を示した。対象となるのは年間の合計所得が420万円以上の人、高齢者人口の4%に当たる約145万人。現行9段階の介護保険料の所得区分は、「420万円以上」から「720万円以上」までの階層を細分化し、全体で13段階とする。引上げ分は、低所得者の保険料引下げの財源にする。

5. 診療報酬 全体で改定率マイナス0.12%に決定 (12/20)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
来年度の診療報酬の改定率が、全体では0.12%減に決定した。医療従事者等の人件費に充てる「本体」部分は0.88%(うち0.61%は看護師やリハビリ専門職などへの賃上げ、0.28%は若手医師の賃上げや事務職員の賃上げに配分)増、薬代の「薬価」は1%減となる。また、同時改定される介護報酬は1.59%、障害福祉サービス等報酬は1.12%、それぞれ引き上げることとなった。

6. 介護2割負担の拡大 見送り(12/20)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
介護保険サービス利用料を2割負担する対象者拡大の実施が、先送りされる
こととなった。厚生労働大臣は、財務大臣折衝後の折衝後の会見で、負担への金融資産などの保有状況の反映の在り方やきめ細かい負担割合の在り方と併せて引き続き検討を行い、2027年度までに結論を得るということとした、と述べている。

7. トラック運賃 指標見直し(12/16)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
国土交通省は、トラック事業者が荷主から適正な運賃を得るための指標として示している「標準的な運賃」を、平均8%上げる見直し案を公表した。
案では、運転手が荷物の積下ろし作業を強いられる場合に、その対価を運賃に加算するための目安も新たに盛り込まれた。待機時間の対価も引き上げる。年明けに運輸審議会に諮問し、来年度からの運用を目指す。

8. 厚労省改正案 雇用保険加入要件「週10時間以上」に緩和(12/14)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
厚生労働省は13日、労働政策審議会雇用保険部会で、雇用保険の加入対象について、現行の「週20時間以上の労働」から「週10時間以上の労働」に拡大することを含めた雇用保険制度改正の取りまとめ案を示した。失業給付などの支給条件となる労働日数の基準の緩和等も盛り込まれた。加入要件見直しは28年度中に実施する。2024年1月までに詳細を詰め、24年通常国会に関連法案を提出する。

出典:(株)日本法令 SJS Express

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いつもお世話になっております。プロセスコアの山下です。

年末は賞与査定時期ということもあり、人事考課の評価面談をされる経営者や人事担当者の方が多いのではないでしょうか。

どのような評価面談の進め方をするかで、来期の社員のモチベーションや成長にも大きく変わってくる部分かと思います。できるだけ有意義な時間にしたいものです。

そこで、今回は評価面談の進め方のポイントについてまとめました。

評価面談はどのような流れで進めると良いのか?
興味がある方はぜひご一読ください。

まず、評価面談といっても、ただB評価だから…◯点だから…賞与はこれくらいといった結論だけ伝えても育成には繋がりません。

社員自身に納得感や気づきを与え、育成することを目的として進めた方が評価を受ける人にとっても、会社にとってもプラスに働きます。

何より「仕事ぶりを見てもらっている」と感じてもらうことで本人の承認欲求を満たし、仕事への活力になることを考えると、まずポジティブフィードバックから入ることをお勧めします。

ポイントは4つ

1.この3~6ヵ月間の、部下への感謝のおもいを文章にして伝える
この点は、普段から特に感謝していることや貢献してくれていることを記録に取っておいたり、仕事ぶりを観察しておく必要があります。
また、必要に応じて直属の上司や同僚にもヒアリングを行い、整理しておくと作成がスムーズです。
評価というより感謝のお手紙を送ると言ったイメージで文章を作成し伝えると、評価者のモチベーションUPにも繋がります。

2.部下評価と自分の評価が(部下<自分)の評価項目をほめる
評価シートで、部下の自己採点より上司の採点が高かった項目をクローズアップして認めることも、本人の自信に繋がります。ぜひ、面談の中で触れられてください。

3.部下の強みを見つけ文章で強みを教えてあげる
自己を客観視することは主観が入るので誰でも難しく感じる部分です。
特に強みは、自分にとって当たり前に感じている部分であることが多く、他者からのフィードバックを貰うことで自己認識を高めることができます。
会社として特にこの部分を活かして、こんな仕事で貢献してもらった!という部分を強調して伝達されることをお勧めします。

4.この3~6ヵ月で部下ができるようになった事や少し成長した事を文章で伝える
上司からすると、なかなか褒める部分がない、認めることができない社員をどのようにポジティブフィードバックをすればいいのか?といった相談を受けることがあります。
そういった社員の方に対しては、過去と今の比較をして事実を伝えるという手法を取ることをお勧めします。

例)
  過去)1日で終わる仕事に3日かかっていた
→ 現在)2日でできた
  過去)✕✕ができなかった
→ 現在)✕✕ができるようになった
  過去)ミスが5件/日
→ 現在)ミスが3件/日

そういった過去と現在の変化を事実として伝えることは、評価を受ける人の奮起やモチベーションアップを図る意味では有効です。

最後にネガティブフィードバックや今後の課題です。

ポイントは2つ

1.ポイントをできるだけ絞って伝える
伝えたいことが多くなればなるほど、どれがもっとも重要なことか分からなくなってしまうものです。
例えば、まずはこの3つの課題から改善してほしい。取り組んでほしい!とポイントを絞って伝えることが重要です。

2.気づきを与えるときは、事実を伝えながら気づかせる
社員の自己採点では自分は出来ていると思う部分が、上司の視点から見るとまだまだ十分でないといったことはよく起こり得ることです。
部下から見て、上司が辛口な評価をした場合、部下からすると疑問に思ったり、場合によっては納得できない態度を取られることもあります。
その場合、できるだけなぜそのような評価になったのかを納得させる根拠となる「事実」を併せて説明することが有効です。

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今回のコラムは以上です。

冒頭でも述べましたが、評価面談は処遇の結果を伝えるためだけのものではなく、あくまで「育成」を主眼として行うことで社員のモチベーションや成長に繋がります。

考課者側の上司は採点を付けたり、どのように伝えるか準備に時間がかかりますが、評価される社員も評価する上司側も互いに成長する機会となりますので前向きに取り組みたいものですね。

今回のコラムは以上です。
お読み頂き、ありがとうございました。

〈この記事を書いた人〉
山下 謙治
Kenji Yamashita
社会保険労務士法人 プロセスコア 代表
日越協同組合 監事
社会保険労務士・行政書士・マイケルボルダック認定コーチ
日産鮎川義塾 師範代 九州本校 塾長

社会保険労務士として人事・労務の課題解決を通じて地元熊本を中心に中小企業の経営支援20年のキャリアを持つ。従来の社会保険労務士の業務だけでなく、管理職育成を中心とした教育研修事業や評価制度導入支援を行い、経営者が抱える、組織上の悩みや課題解決の支援を行っている。得意とする業務は、起業から5年目以降の発展期における組織強化・拡大期の採用・教育・評価・処遇といった人事制度づくりの支援。

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「欲しい人材を引き寄せる!求人募集と採用選考の見極め方セミナー」株式会社TKUヒューマン主催

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