人材採用活動に使える生成AIプロンプトのご紹介

今回のコラムでは、生成AIを企業の求人活動(リクルート)の取り組みでどのように活かすことができるか、弊所でも実際に活用したり、お客様にご紹介しているプロンプト(指示書)の代表的なものと、生成AIの回答精度を高める為の作成ポイントをまとめました。
目次 [閉じる]
1.生成AIは人材採用活動に使える!
求人広告や募集の条件の作成や見直しは、誰でも担える仕事ではなく、おそらく中小企業の多くは、経営者本人が直接、あるいは間接的に関わって作業を進めていたり、試行錯誤しながら内容を考えたりされていることが多いのではないでしょうか?
少子化に伴う労働力人口減少傾向がこれから高まっていくことを考えると、沢山の業務がある中で、人材採用活動は企業経営の最重要課題の1つであると思います。
その業務をより短時間で、しかも高いパフォーマンスを出すために、生成AIをどのように活用できるのか。
具体的なプロンプト例をご紹介します。
2.すぐ使える代表的なプロンプト集
【ターゲットに合わせた求人活動の広告や接点の洗い出し】
例)あなたはプロのリクルートコンサルタントです。
私は、以下の#サイト「社会保険労務士法人 プロセスコア」のオーナーですが、社会保険労務士の資格の勉強をしている人や合格者、興味を持っている人を採用したいと考えています。
どんなところに求人広告を出せばよいでしょうか?
どんなところにその人達は集まっていて、接点を作る方法はありますか?
#https://process-core.com/
【競合との比較】
例)あなたは、プロのリクルートコンサルタントです。
以下の2つの求人ページの求人募集要項を比べ、どちらがどの項目で求職者にとって優位性があると思いますか?
理由を交えて各項目の比較表を一覧にして表記してください。
【求人広告のキャッチコピーの提案】
例)30代くらいまでの男性の目を引く、思わず応募問い合わせしたくなる〇〇販売事業の会社の営業の求人広告の内容やキャッチコピーを考えてください。
【求人広告の文章の提案】
(在籍するスタッフに事前アンケートを取ったうえで)
例)あなたは、プロのリクルートコンサルタントです。
添付のスタッフアンケートでわかった内容・・・
「就職前に気になっていた仕事内容や条件」
「実際に採用後のギャップで良かったこと」
「採用後に分かってがっかり、びっくりしたこと」
をもとに、求人広告に掲載する説明文章やアピールポイントの素案を箇条書きで作成してください。
【求人広告文章の2次活用】
例)あなたは、プロのリクルートコンサルタントです。
以下の求人ページをIndeed求人広告用の文章や構成に変更してください。
検索上位に表示されるために必要な条件を満たした内容に変更をお願いします。
【採用広告内容の課題点の検証】
例)あなたは、プロのリクルートコンサルタントです。
以下の採用ページを強化するには、どんな改善が必要でしょうか?
社長の思いやどんなことにチャレンジできるか、福利厚生制度や働きやすい環境施策の内容が足らないと仮説をたてていますが、正しいですか?
【リクルート活動の取り組みの検証】
例)あなたは、プロのリクルートコンサルタントです。
以下の採用ページで広告を出したり、リファラル採用として紹介したスタッフに〇〇円報奨金をお支払いしたりしていますが、応募者が1ヶ月◯人程度です。
これを◯倍にしたいと思ってます。
どんな取り組みを追加したり、今までのやり方を見直すと良いでしょうか?
アドバイスをください。
以上です。
業務を効率化し、かつ、成果に繋がるアイデアやヒントが得られやすいと思います。
3.生成AIの回答精度を高めるポイント
最後に、生成AIで文章構成をつくる上で、回答精度を高めるポイントをご紹介します。
① 役割設定
AIに「あなたは◯◯の専門家です」と役割を与えることで、回答の視点と表現が明確になります。
たとえば「あなたは採用広報のプロ」と指定すれば、専門的かつ実務的な文章を出力できます。
役割設定は、AIに“人格”を与える行為であり、回答の深みと一貫性を生む最初のステップです。
② 目的の具体化
「何のために文章を作るのか」を明確に伝えることで、AIは出力の方向性を正確に判断します。
例えば「採用ページで応募者の共感を得たい」「〇〇といった人向けの説明会案内を作りたい」といった目的を具体的に伝えることで、トーンや構成、内容の重点が適切に設定されます。
曖昧な目的では汎用的な文章になりがちです。
③ 自分だけの情報の追加(自社の情報等)
自社の強みや現場の実情など、他では得られない情報を入力することで、AIの回答はオリジナルな内容に進化します。
たとえば「当社は熊本を拠点とする〇〇の法人で…」と具体化すれば、文章のリアリティと信頼性が格段に上がります。
AIは文脈を理解するため、具体的な固有情報を与えることが重要です。
これらをあらかじめ文書で整理しておくことで、企業側の特徴に合わせた回答が得られやすくなります。
④ 関係性の明示(誰に刺さる回答を求めているか)
AIは「誰に伝えるか」で文章の構成を最適化します。
ターゲットを具体的に伝えると、語彙・トーン・構成が自然にその層に合わせて調整されます。
ターゲット像が明確なほど、説得力と共感性の高い文章が生成されやすくなります。
⑤ ルール決め(何文字以内、箇条書きで等)
出力の形式を具体的に指示することで、使いやすく整った文章が得られます。
たとえば「300文字以内」「3つの見出しで」「箇条書きで説明」と指示することで、AIは情報を整理し、目的に応じた構造で生成します。
ルールを設定しないと冗長な文章になる場合が多く、再編集が必要になります。
⑥ 解答例の提示(ニュアンス、文体など)
「こんな感じで書いて」とサンプルを見せると、AIはそのトーンや文体を学習し、期待に近い文章を出力します。
たとえば「広報誌風」「専門誌記事風」「フランクなSNS投稿風」など、スタイルを指定することで再現性が高まります。
言葉だけでなく、実際の短い例文を示すと精度がさらに上がります。
⑦ 出力形式の指示(Word、PDFなど)
最終的にどの形式で使うかを指定することで、AIは目的に適した構成で出力します。
たとえば「Wordで提案書形式に」「Excelで一覧表に」「PDFで印刷用に」といった指示により、実務でそのまま使える成果物になります。
AIは文章生成だけでなく、形式変換や整形も得意なため、最初に出力形を明示するのが効果的です。
4.まとめ
生成AIは使う用途によってパフォーマンスが大きく変わります。
単純に業務の効率化を行う秘書として行うだけでなく、優秀な部下として、自分では思いつかなかった視点や気づきを得ることができることも生成AIの良さだと思います。
ぜひ、忙しい経営者や人事担当者様ほど、求人活動にアイデア出しや作業効率化を図る意味で生成AIをフル活用して頂きたいと思います。
今回のコラムは以上です。
お読み頂き、ありがとうございました。
〈この記事を書いた人〉
山下 謙治
Kenji Yamashita
社会保険労務士法人 プロセスコア 代表
日越協同組合 監事
社会保険労務士・行政書士・マイケルボルダック認定コーチ
日産鮎川義塾 師範代 九州本校 塾長
社会保険労務士として人事・労務の課題解決を通じて地元熊本を中心に中小企業の経営支援20年のキャリアを持つ。従来の社会保険労務士の業務だけでなく、管理職育成を中心とした教育研修事業や評価制度導入支援を行い、経営者が抱える、組織上の悩みや課題解決の支援を行っている。得意とする業務は、起業から5年目以降の発展期における組織強化・拡大期の採用・教育・評価・処遇といった人事制度づくりの支援。
最近の講演内容
「社員の評価制度と賃金制度のあり方」 肥銀ビジネス教育株式会社主催
「欲しい人材を引き寄せる!求人募集と採用選考の見極め方セミナー」株式会社TKUヒューマン主催

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