「雇用保険料免除の廃止」と「業務改善助成金」について

「雇用保険料免除の廃止」と「業務改善助成金」について

おはようございます。
プロセスコアの木下です。

 今年の冬は本当に暖かいですね。
連日新型コロナウィルスのニュースが流れており、私も予防を・・・とマスクを探しても、どこも品切れでどうしたものかと困り果てていますが、とにかくうがい・手洗いをしっかりして予防に努めたいと思います。

 

 さて、今回のメールマガジンでは
①「雇用保険の保険料免除制度の廃止」
②「業務改善助成金」の改正
についてお届けします。

 まずは、
①「雇用保険の保険料免除制度の廃止」 についてです。

 これまで、雇用保険料については、年度の初日である4月1日時点で満64歳以上の方については、従業員負担分、企業負担分ともに免除となっておりました。この免除制度が、令和2年3月にて廃止となります。

 令和2年4月からは、これまで免除となっていた満64歳以上の方についても、雇用保険料の控除が必要になります。

 給与計算の際、給与計算期間が3月と4月に跨ぐ場合、給与計算期間に4月1日以降が含まれている月より、控除することとなります。
以下にいくつか例を記載致します。ご参考下さい。

<末日締め、翌月15日払いの場合>
 計算期間:4月1日~4月30日
 支払日:5月15日
→ この5月15日支払い分から雇用保険料を控除します。

<15日締め、当月25日払いの場合>
 計算期間:3月16日~4月15日
 支払日: 4月25日
→ この4月25日支払い分から雇用保険料を控除します。
 3/16~3/31も含めて計算しますので、この点ご注意下さい。

 雇用保険料の控除について、判断に迷われる場合は、弊所までご相談下さい。

雇用保険料について労働局より公開されておりますリーフレットは下のリンクよりご確認頂けます。
https://jsite.mhlw.go.jp/kumamoto-roudoukyoku/content/contents/000602114.pdf

 

 次に
②「業務改善助成金」の改正 についてです。

この度、この助成金の計画書申請期限が令和2年1月31日より延長され令和2年3月31日までとなりました。また、対象企業の規模の拡大等の改正がございましたのでお知らせ致します。

 

業務改善助成金とは、
「企業内の最低賃金が850円未満の企業が、
企業内の最低賃金を一定額以上引き上げ」
かつ
「機器設備、コンサルティング導入や人材育成等の設備投資を行った」
場合に、費用の一部が助成される制度です。

 

【改正内容】
・ 対象となる企業の規模が 30 人以下 → 100 人以下に拡大されました。

・ 賃金の引き上げ額に応じ、「25円コース」「60円コース」「90円コース」があり、
  それぞれ引き上げた従業員数に応じ、助成額の上限額が決まっています。

 この助成金は、企業様にて設備投資やコンサルティングなど費用支出が必要です。
設備の導入を検討される場合は、『 購入前・導入前に 』 またお早めに弊所、又は担当スタッフへご相談下さい。(計画書の作成に日数を要するためです。)

 

 また、今年度の申請期限は3月31日までとなっておりますが、令和2年度分の業務改善助成金についての詳細が決定されましたら随時お知らせ致します。

助成額等については、以下のURLよりご確認下さい。https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000591257.pdf

 

○●○最近の動き(Topics)━━●○●
直近1ヶ月から2ヶ月の労働行政の動きや新聞記事を纏めたものです。
今後の人事・労務関連の次の一手を打つための情報として、是非ご一読下さい。

  1. 文科省・厚労省 高校就活ルール「1人1社」見直しを促す(2月12日)
  2. 介護職員の夜勤回数が増加 平均4.4回(2月11日)
  3. 70歳までの就労機会確保が努力義務に(2月5日)
  4. 文化庁が日本語能力の共通指標案をまとめる(1月25日)
  5. 大企業で月80時間超の残業、依然約300万人~総務省調査(1月20日)
  6. 「扶養控除の対象見直し」海外に住む家族について23年より新ルール(1月17日)
  7. 通常国会への提出法案、年金改革等を柱に52本(1月16日)
  8. 士業の個人事業所 厚生年金の適用対象に(1月10日)
  9. 補助業務に従事する看護師に年休を認めず是正勧告(1月8日)
  10. 11月の平均賃金、3か月ぶりにマイナス(1月8日)

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  1. 文科省・厚労省 高校就活ルール「1人1社」見直しを促す(2月12日)━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    高校生の就職活動のルール(最初は原則1社しか応募できないというルール。法律で定めたものではない)について、文部科学省と厚生労働省は10日、複数社への応募を可能にすることなどを含め、生徒の選択肢を増やすよう、地域ごとに見直しを促す報告書を発表した。高卒者の早期離職の一因になっているとの指摘や、人手不足業界などから採用しやすい慣行への見直しを求める声などを受けたもので、現2年生の就活から検討対象になる見通し。
  1. 介護職員の夜勤回数が増加 平均4.4回(2月11日)
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    日本医療労働組合連合会の調査によると、2交代制をとっている介護施設の職員の夜勤回数が平均4.4回/月となり、前年より0.1回増えたことがわかった。職員のうち42.9%が4回を超えていた。2交代制の施設のうち、72.3%で夜勤が16時間以上となっており、3割以上の施設で仮眠室を設置していなかった。2交代制は、夜勤中の交代がなく、長時間勤務につながるが、現状、介護職員の夜勤回数に法的規制はない。
  1. 70歳までの就労機会確保が努力義務に(2月5日)
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    政府は、70歳までの就業機会の確保を企業の努力義務とする高年齢者雇用安定法など、関連法案を閣議決定した。現行は希望者全員を65歳まで雇うよう企業に義務付けており、企業は、(1)定年廃止、(2)定年延長、(3)再雇用制度の導入の選択肢がある。改正案では、さらに、(4)別の会社への再就職、(5)フリーランス契約への資金提供、(6)起業支援、(7)社会貢献活動参加への資金提供なども選択肢として認める。今国会で成立すれば、2021年4月から施行される。
  1. 文化庁が日本語能力の共通指標案をまとめる(1月25日)
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    外国人材の受入れ拡大に合わせて、文化庁の文化審議会は24日、日本語の習熟度を6段階で示す指標を大筋でまとめた。「読む」「聞く」「書く」「話す(やりとり)」「話す(発表)」の5つの言語活動ごとに、各段階(習熟度に応じた6段階)で何ができるかを定義づける。外国人が日本語を学ぶ際の目安にしたり、企業が外国人材の日本語能力を客観的に把握したりするのに役立てる。21年度末に最終的な取りまとめをする。
  1. 大企業で月80時間超の残業、依然約300万人~総務省調査(1月20日)
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    総務省の調査で、大企業の残業に罰則付き上限が導入された2019年4月以降も月80時間超の残業をしている人が推計で約300万人に上ることがわかった。部下の仕事量が減ったしわ寄せで、中間管理職などの残業が高止まりしているとみられる。働き方改革関連法の施行で、大企業は昨年4月から従業員の時間外労働を年720時間以内にすることが義務づけられた。月100時間を超えてはならず、2~6カ月平均で月80時間以内にしなければならない。建設業など一部業種を除き、違反があれば30万円以下の罰金か6カ月以下の懲役を科せられる。同様の規制は今年4月からは中小企業にも適用される。
  2. 「扶養控除の対象見直し」海外に住む家族について23年より新ルール(1月17日)
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    政府は、通常国会に提出する20年度の税制改正法案において、海外に住む家族を扶養控除対象とすることを制限する見直し策を盛り込む方針を固めた。16歳以上の海外に住む家族のうち、30歳以上70歳未満の家族については扶養控除の対象外とする。留学生や障害者らは現行同様控除対象となるように配慮したうえで、23年より新ルールに移行する。
  1. 通常国会への提出法案、年金改革等を柱に52本(1月16日
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    政府は、通常国会に提出する新規法案について、52本とする方向で最終調整に入った。主な提出法案は、短時間労働者への厚生年金の適用拡大を柱とする年金制度改革関連法案、希望すれば70歳まで就業できる制度を企業の努力義務とする雇用安定法等の改正案など。東京五輪等を控え会期延長が難しいとみて、当初見込んだ60本から本数を絞り込んだ。
  1. 士業の個人事業所 厚生年金の適用対象に(1月10日)
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    厚生労働省は、弁護士や税理士、社会保険労務士などの士業の個人事業所の従業員を厚生年金の適用対象とすることを明らかにした。対象者は約5万人の見通しで、適用業種が見直されるのは約70年ぶりとなる。今年の通常国会で改正法案を提出し、2022年10月からの適用を目指す。
  1. 補助業務に従事する看護師に年休を認めず是正勧告(1月8日)
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    堺市が、登録制で医療業務を短時間補助する女性看護師の年次有給休暇申請を「有償ボランティア」だと拒否し、堺労働基準監督署から是正勧告を受けていたことがわかった。同監督署は市に対し、女性に昨年3月に申請した年休3日分の賃金を支払うよう勧告した。市はこれに応じたうえで、同様の業務に就いている約180人について、年休がとれる職員として雇用契約を結ぶか検討する。
  1. 11月の平均賃金、3か月ぶりにマイナス(1月8日)
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    厚生労働省は、2019年11月の毎月勤労統計(速報値)を公表した。労働者1人あたりの平均賃金を示す現金給与総額は28万4,652円(前年同月比0.2%減)で3か月ぶりのマイナスとなった。物価変動の影響を差し引いた賃金の動きを示す実質賃金指数は87.7(同比0.9%減)で2か月連続のマイナスだった。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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