「労働時間の管理」と労務に関する最近の動きについて(12月)

「労働時間の管理」と労務に関する最近の動きについて(12月)

おはようございます。

社会保険労務士事務所プロセスコアの木下です。

本年もどうぞ宜しくお願い致します。

 

新年の声が聞こえてはや20日余りを過ぎ、

ここ数日凍てつくような寒夜が続いています。

皆様、お変わりございませんでしょうか。

 

さて、今回のメールマガジンは、「労働時間の

管理」と労務に関するニューストピックを

ご紹介致します。

 

まずは、労働時間の管理についてです。

 

昨年、労働時間を適正に把握するための

ガイドラインが公表されました。

※正式な名称は、「労働時間の適正な把握のために

使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」です。

 

本ガイドラインは、使用者(会社側)が適正

な労働時間を把握するために具体的な基準

(労働時間の考え方、始業・終業時刻の確認

記録の方法、自己申告制をとる場合の措置など)

を示したものです。

 

先般の大手広告代理店の事件後、労働時間を

適正に管理していないことによる、過重な

長時間労働や割増賃金の未払いといった問題

が生じていることから、労働時間の管理に

ついてはより厳しく求められるようになり

ました。

 

厚生労働省は長時間労働に関する監督指導を

強化しており、今後は、本ガイドラインに沿った

監督・指導がなされることが予想されます。

これを機に、労働時間として把握している時間

の範囲が適正かどうか、把握方法についても

実態をカバーできているのかなど、ガイドラインにて

ご確認頂き、見直しをされることをお勧め致します。

ガイドラインは下記よりご確認頂けます。

↓↓↓

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/070614-2.html

 

労働時間の管理について、運用等で不明な点がございましたら、

弊所または担当スタッフまでどうぞご相談下さい。

 

○●○最近の動き(Topics)━━━━━━━━━●○●

1. 未払い賃金請求の時効期間延長について

  議論開始 厚労省検討会(12月27日)

2. 学校教員の働き方のモデル案作成へ

  (12月26日)

3. 2018年度の年金額は据置きの見通し

  (12月23日)

4. 精神障害者の法定雇用率のカウントに

  特例措置(12月22日)

5. 介護報酬0.54%引上げ 6年ぶり増額

  (12月18日)

6. 高校生の就職内定率77.2% 25年ぶり

  高水準(12月15日)

7. 企業の人手不足深刻化 日銀短観指数が

  約26年ぶりの低水準(12月15日)

8. 介護報酬0.54%引上げへ(12月15日)

9.  「モデル就業規則」改定案 年明けに通達

  発出へ(12月12日)

10. 「新たな経済政策」を閣議決定(12月9日)

11.  所得税改革で「年収800万超は増税」へ

  (12月7日)

12. 高度IT技能取得に教育訓練給付 厚労省・

   経産省方針(12月4日)

13. 会社員の約3割が「持ち帰り残業ある」

  (12月2日)

14.「雇用促進税制」の廃止を検討 政府・与党

  (12月1日)

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1.未払い賃金請求の時効期間延長について

  議論開始 厚労省検討会(12月27日)

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厚生労働省の有識者検討会は、未払い賃金の

請求権の時効延長に向けて議論を開始した。

現行の労働基準法では、労働者は過去2年分

の未払い賃金を会社に請求することができる

が、民法改正に合わせて最長5年まで延長す

るかが焦点となっている。検討会では法改正

に向けて議論し、2019年に法案を国会に提出。

2020年にも適用する考え。

〔関連リンク〕

 第1回 賃金等請求権の消滅時効の在り方

に関する検討会

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000189823.html

 

 

2.学校教員の働き方のモデル案作成へ

 (12月26日)

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文部科学省は、学校教員が担う仕事の範囲を

明確にする「働き方のモデル案」を作成する

方針を明らかにした。授業や生徒指導などの

本来業務に集中できるよう、事務職員や地域

住民らとの役割分担を促すのが狙い。また、

同省は来年10月に教員の業務量を一元的に

把握できる組織を新設する考えを示した。

 

 

3.2018年度の年金額は据置きの見通し

  (12月23日)

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厚生労働省は、来年度の予算で年金の改定率

をゼロと見込み、公的年金の支給額が今年度

と同じになる見通しを明らかにした。支給額

の据置きは2年ぶり。マクロ経済スライドの

発動も見送られる。

 

 

4.精神障害者の法定雇用率のカウントに

  特例措置(12月22日)

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厚生労働省は、障害者の法定雇用率の算出に

おいて、現行では「0.5人」とカウントされる

短時間労働者について、一定の要件を満たした

精神障害者の場合は「1人」とカウントする特

例措置を設けることを明らかにした。来年4月

から法改正(法定雇用率の2.2%への引上げ、

精神障害者の雇用義務化等)の施行に合わせ、

5年間の時限措置として実施する。

〔関連リンク〕  第74回 労働政策審議会障害者雇用分科会

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000189459.html

 

 

5.介護報酬0.54%引上げ 6年ぶり増額

 (12月18日)

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政府は、介護報酬を2018年度から0.54%引

き上げることを決定した。プラス改定は、臨

時の改定などを除き2012年度(前々回改定)

以来。「介護離職ゼロ」目標や、介護人材の

確保、待遇の改善などが課題となっている中、

介護事業者の厳しい経営状況に配慮した改定

となった。

 

 

6.高校生の就職内定率77.2% 25年ぶり

  高水準(12月15日)

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文部科学省は、2018年3月に卒業予定で就職

を希望する高校生の就職内定率(10月末時点)

が77.2%(前年同期比2.3ポイント上昇)だ

ったと発表した。8年連続の上昇で、25年ぶり

の高水準。同省は「人手不足の影響で高卒者

も売り手市場になっている」と分析している。

 

 

7.企業の人手不足深刻化 日銀短観指数が

  約26年ぶりの低水準(12月15日)

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日銀が発表した12月の「全国企業短期経済観

測調査(短観)」で、従業員等の過剰感を示

雇用人員判断指数が25年10カ月ぶりの低水

準となり、人手不足が一段と深刻になってい

る実態が明らかになった。企業の規模や業種

を問わずマイナス幅が大きくなっており、今

後も人手不足感は強まる見通し。

 

 

8.介護報酬0.54%引上げへ(12月15日)

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政府・与党は、2018年度の介護報酬改定につ

いて0.54%の引上げで最終調整に入ったこと

がわかった。前々回(2012年度)の改定以来

の増額となる。また、障害福祉サービス等報

酬は0.47%引き上げられる。

 

 

9.「モデル就業規則」改定案 年明けに

  通達発出へ(12月12日)

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厚生労働省は、同省作成の「モデル就業規則」

から副業・兼業の禁止項目を削除し、原則容

認する改定案を有識者検討会に示した。事前

に申請したうえで、労務提供の支障や企業秘

密の漏えいなどがなければ可能とする内容に

改定。年内に改定案などをまとめ、年明けに

も通達を出す考え。

 

 

10.「新たな経済政策」を閣議決定(12月9日)

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政府は、「生産性革命」と「人づくり革命」を

2本柱とする「新たな経済政策」を閣議決定し

た。前者は、賃上げおよび先端技術への投資を

行った企業の法人税負担減や、プロジェクト型

の規制(サンドボックス)を創設するための

法案提出などを盛り込んだ。後者は、幼児教育

・高等教育・私立高校授業料の無償化、待機

児童の解消、介護人材の処遇改善などを盛り

込んだ。

 

 

11.所得税改革で「年収800万超は増税」へ

  (12月7日)

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自民党の税制調査会は、年収800万円を超え

る会社員・公務員や、年金以外の所得が1,000

万円を超える年金受給者が増税になる政府・

与党案を了承した。個人請負などで働く人は

大半が減税になる。公明党内には一部で異論

もあり、政府・与党内で微調整の可能性もあ

るが、2020年1月から実施されることになり、

全体で年間1,000億円超の税収増が見込まれ

ている。

 

 

12.高度IT技能取得に教育訓練給付 厚労省・

   経産省方針(12月4日)

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厚生労働省と経済産業省は、専門実践教育訓

練給付の対象を広げ、雇用保険の被保険者を

対象に1人当たり最大受講費の7割、56万円

を上限に助成する方針を示した。講座は、AI

やビッグデータ、IoTやデータサイエンスなど

新システムの講座を想定しており、eラーニン

グの講座も増やし、2018年度から経産相が30

前後新たに認定する見込み。

 

 

13.会社員の約3割が「持ち帰り残業ある」

   (12月2日)

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連合総合生活開発研究所が会社員2,000人を

対象に「持ち帰り残業」を行ったことがある

かを調査したところ、全体の30.9%が「ある」

と回答したことがわかった。頻度については、

「たまにある」21.0%、「よくある」6.8%、

「常にある」3.1%で、58.3%が「労働時間に

当たると思う」と回答した。

 

 

14.「雇用促進税制」の廃止を検討 政府・与党

  (12月1日)

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政府・与党が、2018年3月末の適用期限をも

って雇用促進税制を廃止することを検討して

いることがわかった。雇用促進税制は2011年

に導入され、企業が従業員を1人増やすごと

に40万円の法人税減税が可能となる措置だが、

雇用環境の改善が著しいため必要性が低くな

ったと判断された。

 

 

 

最後までお読み頂き、ありがとうございました。