定期健康診断のポイントと企業のフォロー

従業員の健康を把握し、病気の早期発見や予防、業務と健康状態の適合性を確認することを目的とした定期健康診断は法令により年1回以上行うことを義務づけられています。
今回は、定期健康診断の流れや実施後の対応について、わかりやすく解説します。
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定期健康診断とは?
企業が年に1回、常時使用するすべての従業員に実施する健康チェックです。

● 対象となる従業員
正社員はもちろん、パート・アルバイトなどの雇用形態を問わず、「常時使用」にあたる以下のような従業員が対象です。
- 1.期間の定めのない雇用契約である
有期契約の場合、「1年以上の契約期間がある」「1年以上の雇用の見込みがある」「契約更新により1年以上雇用した実績がある」 - 2・週の所定労働時間が正社員の3/4以上である
- ※育児休業中・休職中の場合は、復職後に速やかに受診させれば問題ありません。
健康診断の扱い(受診時間・費用)
受診時間の賃金
企業が判断できますが、厚生労働省は「支払うことが望ましい」としています。
健診費用
企業が全額負担する必要があります。
ただし、法定外検診(がん検診など)を追加する場合は、企業の負担はありません。
協会けんぽの補助制度
35歳~74歳の協会けんぽ加入の被保険者本人が一般健診を受診する際、費用の一部を協会けんぽが負担してくれる制度になりますので一度ご確認下さい。
健康診断後に必要なフォロー
1.結果通知
異常の有無に関わらず、すべての従業員へ結果を通知しなければなりません。
2.医療機関受診・保健指導・二次健診の勧奨
「異常の所見」があった場合、下記の実施をすすめる必要があります。
- 再検査・精密検査
- 保健指導
特に、脳・心臓疾患に関連する4項目すべてで異常がある場合は、労災保険を使って無料で二次健康診断を受けることが可能です。
- 1.血圧検査
- 2.血中脂質検査
- 3.血糖検査
- 4.腹囲の検査またはBMI(肥満度)の測定
3.医師の意見聴取
異常が見つかった場合、医師の意見を聴き、
- 通常勤務
- 就業制限
- 要休業
のいずれかを判断してもらいます。
4.就業上の措置
医師の意見をもとに、企業は必要な措置を講じます。
例えば、勤務時間の短縮や配置転換、治療のための休暇など従業員と十分に話し合いながら決めることが大切です。

5.健康診断個人票の作成・保存
企業は、従業員ごとの健康診断結果をまとめた健康診断個人票(厚生労働省HPより)を作成し、5年間保存することが義務付けられています。
6.労働基準監督署への報告(常時使用する従業員50名以上の)
常時使用する従業員が50名以上の企業は、「定期健康診断結果報告書」を作成し労働基準監督署に提出します。
2025年1月からは電子申請が義務化されました。
おわりに
健康診断を実施していない、結果通知をしていない、保存していない――
こうした不備があれば、50万円以下の罰金を科される可能性があります。
企業も従業員も安心して働くために、毎年の健康診断と適切なフォロー体制を、計画的に整えていきましょう。
〈この記事を書いた人〉
山下 謙治
Kenji Yamashita
社会保険労務士法人 プロセスコア 代表
日越協同組合 監事
社会保険労務士・行政書士・マイケルボルダック認定コーチ
日産鮎川義塾 師範代 九州本校 塾長
社会保険労務士として人事・労務の課題解決を通じて地元熊本を中心に中小企業の経営支援20年のキャリアを持つ。従来の社会保険労務士の業務だけでなく、管理職育成を中心とした教育研修事業や評価制度導入支援を行い、経営者が抱える、組織上の悩みや課題解決の支援を行っている。得意とする業務は、起業から5年目以降の発展期における組織強化・拡大期の採用・教育・評価・処遇といった人事制度づくりの支援。
最近の講演内容
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