従業員のスキルアップで企業の成長を!リスキリング助成金の魅力紹介

従業員のスキルアップで企業の成長を!リスキリング助成金の魅力紹介

いつもお世話になっております。プロセスコアの山下です。

今回は従業員のスキルアップで成長を狙う企業様にお勧めの「人材開発支援助成金 事業展開等リスキリング支援コース(以下、リスキリング助成金という)」の制度概要や、主な支給要件や申請の流れについて解説します。

助成金の概要と目的

リスキリング助成金は、令和4年から8年度の期間限定で創設された制度で、新規事業の立ち上げやデジタルトランスフォーメーション(DX)、グリーン・カーボンニュートラル化(GX)などに伴い、新たな分野で必要となる知識及び技能を従業員に習得させるための訓練を支援します。

この助成金は、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度であり、企業が競争力を強化し、持続可能な成長を遂げるための重要な支援策です。

助成金を活用した具体的なスキルアップ事例

実際にリスキリング助成金を活用して成功を収めた企業の事例をご紹介します。

例えば、ある小売業では営業部門において、ITツールを活用したWEB集客のノウハウの習得させるための講座を受講させ、実際に集客活動に活かし、売上UPにつなげています。

また、外食の事業を行っている飲食店では、テイクアウト及びお弁当の製造販売を新たに開始するため、予約システムの構築やアプリ開発を行うための講座を受講させ、アプリを開発し、新しい事業展開を進められています。

助成金申請の手順と注意点

リスキリング助成金の申請手順は以下の通りです。

まず、助成金を申請するためには、雇用保険適用事業所の事業主であることが必要です。職業能力開発推進者を選任し、従業員に訓練を受けさせる計画を立てます。

次に、事業内職業能力開発計画を作成し、その計画を労働者に周知します。

その後、訓練開始日の1か月前までに計画届を提出し、訓練期間中も適正に賃金を支払うことが求められます。

最後に、訓練終了日の翌日から2か月以内に支給申請を行います。

注意点として、申請にあたり必要な書類を準備し、期限内に提出することが重要です。

また、申請内容に誤りがないように細心の注意が必要です。

助成金対象となる訓練プログラムの選定方法

助成金の対象となる訓練プログラムの選定方法について解説します。

まず、訓練の内容が企業の新規事業やDX、GXに関連していることを確認します。

次に、訓練機関が提供するプログラムの中から、従業員のスキルアップに最適なものを選定します。

また、訓練機関が発行する修了証や受講証明書などが発行されるプログラムを選ぶことも重要です。

さらに、eラーニングや通信制による訓練も助成対象となりますが、その場合は標準学習期間が10時間以上又は標準学習期間が1ヶ月以上であることが条件となります。

助成金を活用した長期的な人材育成戦略

最後に、助成金を活用した長期的な企業戦略について考えてみましょう。

今後、企業が強みとしたい商品やサービスは何なのか?その強みを支える人材にどのようなスキルやノウハウを習得させる必要があるのか検討し、それにマッチした訓練プログラムを設けることが重要です。

また、助成金を一過性のものとせず、長期的な人材育成戦略の一環として計画的に活用することが重要です。

定期的に従業員のスキルアップを図るための訓練プログラムを設け、継続的に助成金を活用することで、企業全体の競争力を向上させることにも繋がります。

助成額の説明と申請から受給までの流れ

助成額

リスキリング助成金の助成額は、中小企業とそれ以外の企業で異なります。

中小企業の場合、訓練経費に対する助成率は75%(大企業60%)であり、賃金助成額は1人1時間あたり960円(大企業480円)です。

※オンライン講座の場合は訓練経費のみ対象です。

中小企業にとっては非常に有利な条件で提供されています。
(1人あたりの助成額には上限額が定めてありますので最後尾に記載しております厚生労働省サイトからご確認ください。)

申請から受給までの流れ

助成金の申請から受給までの流れは以下のステップで進行します。

  1. 1.事前準備

助成金申請の準備として、事業内職業能力開発計画を策定します。
また、職業能力開発推進者を選任し、訓練計画を具体化します。

  1. 2.計画届の提出

訓練開始日の1か月前までに、職業訓練実施計画届を労働局に提出します。
これには訓練内容や対象者、訓練期間、経費見積もりなどの詳細が含まれます。

  1. 3.訓練の実施

計画に基づいて、従業員に対する訓練を実施します。
訓練中も適正に賃金を支払い、訓練内容の進捗を管理します。

  1. 4.助成金の申請

訓練終了日の翌日から2か月以内に、助成金の支給申請を行います。
支給申請書には、訓練経費をすべて企業が負担していることが分かる領収書等の証拠書類や訓練修了証明書などが必要です。

  1. 5.助成金の受給

労働局による審査が行われ、適正と認められれば助成金が支給されます。
審査には数か月程かかる場合があります。

助成金の申請から受給までのプロセスは詳細かつ厳密ですが、適切に対応すれば、企業にとって大きなメリットを享受することができます。

従業員のスキルアップと企業の成長を図る施策としてリスキリング助成金の活用を検討されてはいかがでしょうか?

以上が「従業員のスキルアップで企業の成長を!リスキリング助成金の魅力」についてのコラムです

助成金の申請方法や具体的な使い方を理解し、企業の競争力強化にお役立て頂ければ幸いです。

お読み頂き、ありがとうございました。

ご紹介した「リスキリング助成金(人材開発支援助成金 事業展開等リスリニングコース)」の詳細な支給要件等の内容をお知りになりたい方は以下のサイトからご確認ください。

→ 人材開発支援助成金|厚生労働省

〈この記事を書いた人〉
山下 謙治
Kenji Yamashita
社会保険労務士法人 プロセスコア 代表
日越協同組合 監事
社会保険労務士・行政書士・マイケルボルダック認定コーチ
日産鮎川義塾 師範代 九州本校 塾長

社会保険労務士として人事・労務の課題解決を通じて地元熊本を中心に中小企業の経営支援20年のキャリアを持つ。従来の社会保険労務士の業務だけでなく、管理職育成を中心とした教育研修事業や評価制度導入支援を行い、経営者が抱える、組織上の悩みや課題解決の支援を行っている。得意とする業務は、起業から5年目以降の発展期における組織強化・拡大期の採用・教育・評価・処遇といった人事制度づくりの支援。

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