企業の人材採用力を高めるための 8つの条件


求人広告を出してもなかなか応募がなく困っている。
、、、何から取りかかればいいのか?
、、、何を変えたらいいのか?
このように手を拱いている企業様も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
今回のコラムが、何から手を付ければよいか解決の糸口につながりましたら幸いです。
企業の人材採用の充足率に関するデータ
まずは、企業の人材採用の充足率に関するデータをご覧ください。
中途採用計画をたてている企業約11,000社にとったアンケートによると、充足率100%に到達しない企業が79.4%以上
リクルート「2022年度下半期 中途採用動向調査(2023/5/15)」といった厳しい雇用環境状況にあります。(以下グラフ参照)
現時点でもかなり厳しい状況にあるにも関わらず、少子化に伴う労働力人口不足は加速し、地方の中小企業の人材採用はこれからますます困難な状況へ進むことが予想されます。
74a55f64ffface87a4c1b2acc9ed342fビジネスモデルにもよるので一概にいえませんが、企業の経営上の最重要課題が人材採用活動と捉えなければいけない時代環境下にあると言えます。
そこで、「企業の人材採用力をあげるための条件」というテーマで、御社の採用力をあげるために必要な取り組みについてのチェックリストを作成してみました。
チェック項目の内容は、現在の雇用環境においても採用活動を比較的順調に行っている企業様が行っている取り組み事例をもとにしています。
業種によって合わない内容もあるかと思いますが、一つでも参考になる項目があれば幸いです。
企業の人材採用力を高めるための前提条件
チェック項目は8つ!
御社では、何個チェックが入るでしょうか?
2936034abd6d2bfb98ff5ec53ba543caでは、一つずつ解説していきましょう。
1.経営会議のアジェンダの一番最初に「採用」を掲げているか?
経営上で考えなければいけない課題は多岐にわたりますが、緊急性が低くて重要な仕事はとかく後回しになりがちです。
アジェンダの冒頭に採用を掲げることで、社内の人材戦略が後回しにならず、常に経営陣の関心の中心に据えられます。
これにより、迅速な意思決定やリソースの適切な配分が可能となり、自社の採用力向上の施策実現に直結します。
また、採用を経営会議の最優先事項とすることで、企業幹部をはじめとして全体の意識も変わります。
2.経営者の時間の 20 ~ 30% を採用に充てているか?
経営者自身が採用に積極的に関与することは、企業の成長において極めて重要です。
中小企業においてリファラル(縁故)採用や SNS の広報活動をするにしても、経営者が一番人脈(ネットワーク)を持っており、かつ対外的な影響力・信用力を持っていることが一般的です。
自らが積極的にアクションを起こすことが面接時の成約率をあげ、企業のPRにも直結します。
また、経営者自身が企業説明会や採用面接に参画することで、求職者に企業のビジョンや文化がダイレクトに伝わり、企業理解を深め、成約率や雇用後のミスマッチを防ぐことが出来ます。
3.経営者がもっとも信頼する幹部を採用責任者においているか?
採用活動は単なる人事部の業務ではなく、企業の未来を左右する戦略的な取り組みです。
そのため、経営者が最も信頼する幹部を採用責任者に任命することで、より実効性の高い採用戦略を実現できます。
信頼できる幹部が関与することで、企業のPR活動の効果性も高まり、候補者に対する説得力が増し、人材獲得に繋がりやすくなります。
他の部門との連携もスムーズになり、組織全体での採用力が向上します。
4.組織内・外を含めて採用チームを作っているか?
採用活動は、競合企業分析や採用候補の人材の潜在的欲求や行動傾向を読み解いて募集や広報活動を行うマーケティング要素の高い業務でもあり、ホームページやSNS広告、様々な広告媒体の運用といった技術的な業務、そして人材を見極めるための面接や適性検査といった人を見極める目が必要で多岐にわたり、総合的にみて高難易度の業務といえます。
自社内で運用を行うための人材を適材適所揃えることができれば一番良いのですが、難しい場合もあります。
そういった場合、社外からも専門家を巻き込んだ採用チームを形成することが解決の早道です。
外部のリクルーターや専門家と連携することは、社内にはない知見や経験を活用することにも繋がり、より優れた人材の獲得や多くの人材にリーチすることも可能になります。
5.採用に関する勉強会に定期的に参加し、情報収集しているか?
採用市場は常に変化しており、最新のトレンドや手法をキャッチアップすることが不可欠です。
定期的に勉強会に参加することで、採用戦略のアップデートが可能になり、競争力を維持できます。
また、他社の成功事例や失敗事例を学ぶことで、自社の採用プロセスの改善点を見出しやすくなります。
うまくいっている経営者や採用担当者ほど、ベンチマークしている競合企業や手本とする採用や広報活動の企業があり、定期的に広報活動等を観察して情報収集するようにしています。
6.経営陣はどこに行っても誰といても、いい人材がいないか目を光らせ、いい人材がいたら声をかけているか?
優秀な人材は必ずしも転職市場にいるわけではありません。
経営陣が常にアンテナを張り、どんな場面でも有望な人材に声をかけることが重要です。
例えば、業界のイベントや勉強会、交流会、飲み会の場で出会った人材に対し、適切なタイミングでアプローチすることで、通常の求人活動では得られない優秀な人材を獲得できる可能性があります。
こうした姿勢が企業の採用力競争力を向上させます。
7.仕事内容やどんな人が働いてるか?わかるようなSNS発信を会社でしているか?
現代の求職者は企業の公式サイトだけでなく、SNSを通じて企業の雰囲気や文化を確認します。
SNSで積極的に発信することで、企業の魅力をより広く伝えることが可能になります。
特に、社員のリアルな働き方や職場の雰囲気を可視化することで、求職者の興味を引きやすくなります。
また、採用マーケティングの観点からも、SNSを活用することで応募者の母集団を広げる効果(求人サイトへの導線)が期待できます。
8.経営陣は退職した社員とも関係性が途切れないよう定期的に接触する機会を設けているか?
退職した社員との良好な関係を維持することは、企業の評判向上や将来的な採用機会につながります。
退職者が再び戻ってくる「アルムナイ採用」の可能性も高まりますし、元社員が転職先で優秀な人材を紹介してくれるケースもあります。
定期的な交流会やSNSグループの活用などを通じて関係を維持することで、企業の人的ネットワークが強化され、採用力の向上につながるでしょう。
以上が8つのチェック項目となります。
御社は採用力向上のための条件をいくつクリアされていたでしょうか?
実際には上記以外にも沢山の施策があるかと思いますが、ご紹介した中で一つでも参考になる施策があれば幸いです。
今回のコラムは以上です。
お読み頂き、ありがとうございました。
〈この記事を書いた人〉
山下 謙治
Kenji Yamashita
社会保険労務士法人 プロセスコア 代表
日越協同組合 監事
社会保険労務士・行政書士・マイケルボルダック認定コーチ
日産鮎川義塾 師範代 九州本校 塾長
社会保険労務士として人事・労務の課題解決を通じて地元熊本を中心に中小企業の経営支援20年のキャリアを持つ。従来の社会保険労務士の業務だけでなく、管理職育成を中心とした教育研修事業や評価制度導入支援を行い、経営者が抱える、組織上の悩みや課題解決の支援を行っている。得意とする業務は、起業から5年目以降の発展期における組織強化・拡大期の採用・教育・評価・処遇といった人事制度づくりの支援。
最近の講演内容
「社員の評価制度と賃金制度のあり方」 肥銀ビジネス教育株式会社主催
「欲しい人材を引き寄せる!求人募集と採用選考の見極め方セミナー」株式会社TKUヒューマン主催

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