2023.06.12
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新人社員の指導方法 3つのポイント

新人社員の指導方法 3つのポイント

いつもお世話になっております。プロセスコアの山下です。

今回のコラムは、主体性を持って考える力を高めてもらうために必要なOJT指導者に取り入れて頂きたい指導のポイントについて触れたいと思います。

※OJT指導者…現場の仕事を進めながら新人の教育にあたる方

というのも、指導にあたる人が新人社員に対して入社間もない時期にどのような指導の方法をするかが成長に大きく影響するからです。

指導方法を誤ると考える力が身につかず、受け身のままになってしまいます。
極端な言い方をすれば、思考が停止してしまったような社員を育ててしまう危険性もあります。

そこで、今回は指導における大切なポイントを3つに絞ってお伝えします。

  1. 1. 考え方として「育てる」のではなく、「育つ」
  2. 2. 答えをすぐ与えない
  3. 3. 参画意識をもたせる

では、一つずつ解説していきます。

1.基本の考え方として「育てる」のではなく、「育つ

・・・これはどういう意味かといいますと、指導者の「自分が育てなければ!」という思いから丁寧に1から10まで教え過ぎてしまい、社員に主体的に考える機会や失敗する機会を奪ってしまうことがあります。
指導に当たる人の役割は、1から10まで教えることではなく、どうやったら自分で考えて育っていくことができるのか?その為の「環境づくり」を考えることが大きな役割だと考えなければいけません。

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2.答えをすぐ与えない

・・・・指導にあたる人と新人社員の日常の会話の中で、どれだけ1.で触れた「育つ機会」を作れるかということが非常に重要になります。

その為には、様々なケースが考えられますが、基本の方針としては新人社員が仕事の進め方で分からない時や困っている時にすぐ答えを教えず、考えさせることです。
答えをすぐに教えてしまうと、新人社員は上司に質問すればすぐに答えを教えてもらえると認識して、また別の問題が起きたとしても自分で考えることなく、すぐ上司に答えを求めてしまいます。
また、上司に答えをもらい、その通り対応をすればもし間違っていた場合でも、自分の責任という認識が弱くなるので、失敗を自分ごととして捉えることもなく、成長の機会を奪ってしまいます

社員から質問があった時に、安易に答えを教えるのではなく、ぐっと我慢して「どうすれば良いと思う?」であったり、「〇〇さんはどう思いますか?」といった質問を投げかけて、本人の考えを聞いてから、必要なアドバイスを行うことが重要になります。
また、具体的な対策や方法といった回答を伝えることよりも、その回答にいたった考え方(判断に至った企業の価値観や背景、経緯)を伝えることも重要です。

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3.参画意識を持たせる

・・・新人社員に、入社して間もない頃からできるだけ自分自身のことだけでなく、部や課といったチームや何かのプロジェクト、会社全体の課題について改善案を求めて参画意識をもってもらうことも大切です。
どちらかというと、新人社員は経験が浅いからといった理由で、チーム全体のことを自分事として捉える機会が少なくなりがちです。

結果として、周りから必要とされているといった認識は弱くなり、組織全体の課題についての参画意識も薄く、やらされ感だけで仕事をやる状態を助長させてしまいます。

何か小さなテーマでも良いので、常に自分の仕事や自分以外の職場の課題について改善案を定期的に求める機会をつくるようにしましょう。

今回のコラムは以上です。
新人の教育指導にあたる方の指導の進め方の参考になれば幸いです。

お読み頂き、ありがとうございました。

〈この記事を書いた人〉
山下 謙治
Kenji Yamashita
社会保険労務士法人 プロセスコア 代表
日越協同組合 監事
社会保険労務士・行政書士・マイケルボルダック認定コーチ
日産鮎川義塾 師範代 九州本校 塾長

社会保険労務士として人事・労務の課題解決を通じて地元熊本を中心に中小企業の経営支援20年のキャリアを持つ。従来の社会保険労務士の業務だけでなく、管理職育成を中心とした教育研修事業や評価制度導入支援を行い、経営者が抱える、組織上の悩みや課題解決の支援を行っている。得意とする業務は、起業から5年目以降の発展期における組織強化・拡大期の採用・教育・評価・処遇といった人事制度づくりの支援。

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