2024.05.21
組織づくり

業績向上を図りながら人件費管理をする5つのステップ

業績向上を図りながら人件費管理をする5つのステップ

いつもお世話になっております。プロセスコアの山下です。

企業が安定的に業績を上げるためには、効率的かつ戦略的な人件費管理が必要です。

今回のコラムでは、企業が今後5年間で人件費をどのように管理し、業績向上につなげるかをまとめました。

人件費管理の経験が浅い経営者や人事担当者向けに、大まかではありますが以下の5つのポイントに絞って解説しました。
是非ご一読ください。

ステップ1. 人件費の予測と計画

まずは、今後5年間の社員の人件費の推移を把握します。

過去の法定福利費も含めた人件費の推移や市場の動向(競合他社や賃上げ率等)を分析し、将来の給与総額の推移を予測します。

これにより、予期せぬ経費増加を防ぐことができます。

ステップ2. 効率的な人員配置

付加価値と労働生産性を基に、各部門やプロジェクトに必要な社員数を見直します。

人員を必要とする部門には適切な数の社員を配置し、生産性の低い部門や仕事では業務プロセスの改善や技術やシステム導入、コスト削減案として外注やパート社員にも任せることができる業務がないか等を検討します。

普段からどの業務にどれくらいの人と時間が割かれているのか?「感覚」ではなく、「数字」で検証できるようにデータを取っておくことが理想です。
また、社員はより戦略的で価値の高い業務に専念できるように検討することも重要です。

人員配置は、現在の業務量や将来の事業展望を考慮する必要があります。
昨今の市場動向や技術革新が早い状況下では、求められるスキルも変わりますので、必要に応じて教育研修を行い、既存の社員の再配置も検討します。

ステップ3. 正社員と臨時雇用者・外部委託者のバランス

常用雇用者の適正数を決定した後、必要に応じて臨時雇用者や外部委託者の活用を計画します。

繁忙期や特定のプロジェクトに臨時雇用者を配し、コスト効率を高めることが可能です。

これにより、柔軟かつ効率的な人員配置が実現します。

ステップ4. 総人件費の管理

全社員(正社員と臨時雇用者や外部委託者)の人件費を総合して管理します。

予算内で最適な人材を確保するためには、労働分配率や目標とする粗利益高や売上高、売上を構成の商品単価や販売数目標、「誰に何を売るか?どう売るか?」を設定し、それを基に年間の人件費を計画することが肝心です。

ステップ5. 労働分配率の定期的チェック

計画が完成した後も売上に占める人件費の割合(労働分配率)を定期的にチェックします。

以上の5つのステップです。

業種業態によって、計画を立てる上での複雑さや注意しなければいけない点は多岐にわたりますが、基本的にはこれらのステップを踏むことで、人件費を効果的に管理しつつ、企業の持続的な成長を図ることが可能です。
各ステップは相互に関連しており、経営者の方針のもと、一貫した戦略の下で計画的に実行することが肝心です。

今回のコラムは以上となります。

お読み頂き、ありがとうございました。

〈この記事を書いた人〉
山下 謙治
Kenji Yamashita
社会保険労務士法人 プロセスコア 代表
日越協同組合 監事
社会保険労務士・行政書士・マイケルボルダック認定コーチ
日産鮎川義塾 師範代 九州本校 塾長

社会保険労務士として人事・労務の課題解決を通じて地元熊本を中心に中小企業の経営支援20年のキャリアを持つ。従来の社会保険労務士の業務だけでなく、管理職育成を中心とした教育研修事業や評価制度導入支援を行い、経営者が抱える、組織上の悩みや課題解決の支援を行っている。得意とする業務は、起業から5年目以降の発展期における組織強化・拡大期の採用・教育・評価・処遇といった人事制度づくりの支援。

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