2022.12.09
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権限委譲の進め方

権限委譲の進め方

いつもお世話になっております。プロセスコアの山下です。
今回のコラムは、「権限委譲の進め方」です。

上司や先輩から部下、後輩へ「仕事を任せた」と言われたものの途中での細かなチェックや指導を受けると、「任せるといってくれたのでは?」と任された人は嫌な気分になったり、やる気を削がれたりします。

逆に仕事を任せたまま放置しすぎると仕事のミスやクレームに繋がったりもして、権限を移譲すると言葉にするのは簡単でも、実際には難しさがあります。
ではどのように進めていくと良いのか?対策を整理してみました。

以下の2つが主な対策となります。

1.相手のタイプや能力を見極める

2.口を出す範囲を確認し合う

1つ目の「相手のタイプや能力を見極める」ですが、まず何よりも業務指示や指導をする立場のリーダーの方は、相手がどんなタイプでどんな任され方が良いのか把握しておくことが必要です。
他人は自分と同じような仕事の進め方や受け止め方をしないということを念頭におき、アプローチを変えていく必要があります。その上でどこまで任せてよいのか?任せてはいけないのか?判断するために普段の仕事ぶりを観察したり、評価をしておく必要があります。

そして現時点での能力やスキルを見極めて「ここまでは指示するが、ここから先は任せる」「この時点で(もしくは)この部分はチェックする」など、はっきりと言葉にして確認し合うことが必要です。

「権限移譲」の判断はケースバイケースで難しいことですが、私の所見では、任せすぎて失敗したということよりも、任せることに慎重になりすぎて、その結果として成長が遅れ、いつまで経っても指示待ちで自立できないといった例が多いように思います。多少の失敗は目をつむるぐらいの勇気や寛容さが必要のように思います。

ただ、そうはいっても具体的なやり方を教えず、効率の悪いやり方をずっと個々人が続けると顧客へのサービス低下や生産性も落ちますので、ある程度、基本的な業務の進め方を身に着けてもらう教育の機会や、「〇〇といったレベルでできるようになったら任せる」といった目標設定をおき、それができるまでは注意、指導を受けることを前もって伝えておくことも有効です。

「権限移譲」は、経営者や管理職がより難易度の高い仕事に従事する時間を増やして、全体の生産性を高めるためのもっとも必要なスキルの一つといえます。

コラムをお読み頂いて少しでも「権限委譲」がスムーズに進むきっかけになればと思います。
ご一読ありがとうございました。

〈この記事を書いた人〉
山下 謙治
Kenji Yamashita
社会保険労務士法人 プロセスコア 代表
日越協同組合 監事
社会保険労務士・行政書士・マイケルボルダック認定コーチ
日産鮎川義塾 師範代 九州本校 塾長

社会保険労務士として人事・労務の課題解決を通じて地元熊本を中心に中小企業の経営支援20年のキャリアを持つ。従来の社会保険労務士の業務だけでなく、管理職育成を中心とした教育研修事業や評価制度導入支援を行い、経営者が抱える、組織上の悩みや課題解決の支援を行っている。得意とする業務は、起業から5年目以降の発展期における組織強化・拡大期の採用・教育・評価・処遇といった人事制度づくりの支援。

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