年次有給休暇5日 取得状況はいかがですか?
おはようございます。
社会保険労務士事務所プロセスコアの木下です。
冬が駆け足で近づいてくるこの頃、めっきり日脚も短くなって参りました。
前回のメールマガジンでは、秋の味覚サツマイモのお話しをさせて頂きましたが、最近では柿にはまっていて、ここ数日は毎日食べています。
柿には豊富な栄養が含まれていて、疲労回復やかぜの予防に効果があると言われています。しっかり食べて、これから訪れる冬を乗り切りたいものですね。
さて、今回のメールマガジンでは、この4月に施行された働き方改革関連法の中の、年次有給休暇5日取得義務について改めてご説明致します。
この年次有給休暇(有給)の5日取得義務は、今年の4月1日以降に有給が10日以上付与された方が対象です。では、どんな場合に5日の有給を与えないといけないのでしょうか?顧問先様から問い合わせを頂く、いくつかのパターンを例にあげてご説明します。
(例1)
昨年の8月1日採用(フルタイム)
今年の2月1日に10日有給が付きました。
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この場合は、法律が施行される4月1日より前に10日付いています。
ですから、今回までは5日取得義務の対象外です。
(例2)
昨年の12月1日に採用
(1日7時間、1週間3日勤務)
今年の6月1日に有給5日付与
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この場合は、勤務時間と勤務日数により有給は5日付きます。付与された有給が10日ではないため、有給5日の取得義務はありません。
(理由:法律で有給の5日取得が義務付けられる対象者は、有給付与基準日に有給が10日以上付与される方が対象で、10日未満の人は対象外の為です。)
(例3)
昨年の12月1日に採用
(1日5時間、1週間5日勤務)
今年の6月1日に有給10日付与
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この例は、1日の労働時間は短いですが、1週間に5日勤務している場合は、フルタイムの方と同じく10日の有給が付きます。ですから、6月1日からの1年の間で5日の有給を取得させなければなりません。
(例2)や(例3)のように、パートタイマーの方については、少し注意が必要です。
(例2)のように、週の労働時間が30時間未満、週の労働日数が5日未満であっても有給は付きます。ただ、フルタイムの方より少ない日数になっています。
(例3)のように、1日の労働時間は短いですが、週5日の勤務であれば、フルタイムの方と同じ日数の有給になります。
パートタイマーの有給日数については、下記よりご参考下さい。
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/140811-3.pdf
最も早い方で、今年の4月1日に有給が10日以上付いた方については来年の3月31日までに、有給を5日取って頂くことが必要です。
年末年始や、年度末などは繁忙の企業様が多いのではないでしょうか?
業務に支障がないように取得してもらうためにも、現在の取得状況を早めに把握されることをお勧めします。
また、有給管理簿の作成も企業に義務付けられました。
有給管理簿については、5月配信のメールマガジンでご紹介いたしました管理簿を再度ご紹介致します。
基本的には前回と同じものですが、一覧表示の上限人数を30名から1000名に拡大されました。
下記よりダウンロードできますので、ぜひご活用下さい。
↓
https://drive.google.com/file/d/1j60Qy16GmEaUtjnd7QFvHcCxvPNy2F84/view?usp=sharing
上記のURLをクリックすると圧縮ファイルの内容が表示されます。 右上のダウンロードアイコン ↓ をクリックすると、ファイルを「開く」・「保存」とポップアップ画面が表示されますので、お好きな方を選択してご利用ください。お使いのブラウザによっては、「エラー。プレビューに問題が発生しました。」と表示される場合がありますが、ダウンロードには影響しませんので、そのままダウンロードして下さい。
ご不明な点については、弊所または担当スタッフまでどうぞご連絡下さい。
○●○最近の動き(Topics)━━━●○●
直近1ヶ月から2ヶ月の労働行政の動きや新聞記事を纏めたものです。
今後の人事・労務関連の次の一手を打つための情報として、是非ご一読下さい。
1. 後期高齢者の医療保険料上限 64万円に引上げ(11月22日)
2. パワハラ防止指針案で判断の具体例を提示(11月21日)
3. 6割が「出産後も仕事」と回答(11月16日)
4. 在職老齢年金の減額基準「51万円」へ引上げ方針(11月14日)
5. パート厚生年金適用「従業員51以上」方針(11月12日)
6. 厚生年金適用逃れ 立ち入り強化(10月31日)
7. 就活ルール 22年卒も6月解禁(10月31日)
8. 有給取得率、2018年は52.4%(10月30日)
9. 外国人の脱退一時金 支給上限3年から5年へ(10月29日)
10. 子どもの看護休暇 1時間単位の取得も可能に(10月29日)
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1. 後期高齢者の医療保険料上限 64万円に引上げ(11月22日)
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厚生労働省は、後期高齢者が納める医療保険料の上限を来年度から62万円から64万円に引き上げる案を社会保障審議会の部会で提案し、了承された。高所得の後期高齢者の保険料の負担が重くなる一方で、主に中間所得層の負担が抑えられることになる。
2. パワハラ防止指針案で判断の具体例を提示(11月21日)
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厚生労働省は、職場でのパワハラを防止するために企業に求める指針案を固めたことを明らかにした。10月に示した素案を修正し、同省が定めたパワハラ6類型に沿ってパワハラに当たるかどうかの具体的な判断事例を示した。指針は年内に策定され、大企業は来年6月から、中小企業は2022年4月から対応が義務付けられる。
3. 6割が「出産後も仕事」と回答(11月16日)
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内閣府の行った世論調査によると、「子どもができても、ずっと職業を続ける方がよい」と答えた人が61.0%で、1992年の調査開始以来初めて6割を超えた。また、保育所や家事代行などの外部の支援サービスについて、「利用せずに行いたい」と答えた人が育児では57.8%、育児・介護以外の家事では66.0%だったが、介護では62.9%が「利用しながら行いたい」と答えた。
4. 在職老齢年金の減額基準「51万円」へ引上げ方針(11月14日)
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厚生労働省は、在職老齢年金の制度見直し(減額基準の引上げ)案を社会保障審議会の年金部会に提示した。現行制度では、65歳以上の場合、賃金と年金が合計で「月額47万円」を超えると減額となるが、見直し案では「月額51万円」(現役世代の賃金と厚生年金の報酬比例部分の平均額)へと引き上げる。関連法案を来年の通常国会に提出する。
5. パート厚生年金適用「従業員51以上」方針(11月12日)
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厚生労働省は、短時間労働者(パートタイマー)への厚生年金の適用範囲を拡大するため、企業規模要件を緩和する方針。現行制度の「従業員501人以上」を、「51人以上」へと段階的に引き下げる案を軸に検討されている。個人の法律事務所や会計士事務所も適用対象とする方針。関連法案を来年の通常国会に提出することを目指す。
6. 厚生年金適用逃れ 立ち入り強化(10月31日)
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厚生労働省は、厚生年金の適用逃れを防ぐため、日本年金機構の事業所への立ち入り検査権限を強化する改革案を示した。これまでは対象が適用事業所であることが明白な場合に限られていたが、改革案では、適用対象である可能性が高ければ検査できるようにする。
7. 就活ルール 22年卒も6月解禁(10月31日)
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政府は、現在大学2年生に当たる2022年春に卒業・入社する学生の就職活動について、面接解禁を6月とするなどの現行の「就活ルール」を維持する方針を固めた。かねて経団連が主導してきた就活ルールは21年春から政府が定め、経済界に順守を要請する形式となっている。
8. 有給取得率、2018年は52.4%(10月30日)
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厚生労働省が発表した就労条件総合調査によると、2018年の年次有給休暇取得率が52.4%(昨年から1.3ポイント上昇)となったことがわかった。取得日数は平均9.4日。政府は2020年の目標を70%と掲げている。
9. 外国人の脱退一時金 支給上限3年から5年へ(10月29日)
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厚生労働省は、公的年金に加入する外国人が受給資格を満たさずに出国する際に受け取る脱退一時金の増額を検討する。
保険料納付期間が支給要件の10年に満たない場合、保険料の一部が3年分を上限に支給されるが、これを5年分に引き上げる方針。
10. 子どもの看護休暇 1時間単位の取得も可能に(10月29日)
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厚生労働省は、現在は半日単位で取れる介護休暇と子どもの看護休暇について、原則1時間単位で取れるよう育児・介護休業法の施行規則などを改正する方針を決定。施行は早くても来年度になる見通し。パートタイム労働者など1日の所定労働時間が4時間以下の人についても、今回の改正で1時間単位の介護、看護休暇が取れる対象に含める方針。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。