ルールは伝えなければルールではない。熊本 社会保険労務士
ここ最近、お客様と就業規則の作成の打ち合わせをさせて頂いて
いる際に「この書類は必要!」とほとんどの方が目を大きくされる
書式があります。
それは・・・
採用した社員と取り交わす、「個人情報や機密情報の取扱に関する
誓約書」です。
以前からある書式なのですが最近特に必要性を感じる経営者の方が
増えてきたように感じております。
その背景として、
・フラッシュメモリ等の磁気媒体を利用して、パソコンから短時間で
データの持ち出しをすることが可能になっていること
・クラウドコンピュータを導入し、どこのパソコンからでもインターネット
サーバー上にアクセスして、情報を取得できる環境を構築する企業が
増えてきたこと
・情報が社外に漏洩することが企業の信用問題に繋がる可能性が
あることを認識できていない、若い世代が増えてきたこと
この3点があげられるかと思います。
では、どうやって予防を行なっていくかというと一般的に
・機密情報の利用制限
・監視機能の強化
・チェック体制の整備
をしていくことが必要ですが、情報流出事故の原因の6割~8割が、
内部(社内の人間の故意、若しくは過失)が原因という統計結果が
多くでていることを考慮すると、やはり誓約書を取り、入社時に
適正な教育を行うことが大切になってきます。
具体的にどういった内容を誓約書に記載するかといいますと、
「業務上知り得た、企業の事業上の秘密、ノウハウ、技術
情報、顧客情報など営業秘密の他、人事情報、管理情報、
プライバシー情報等いかなる情報であっても第三者に漏洩、
開示、提供しないこと」
「上記の情報等が含まれた文書、資料、写真、サンプル、
フラッシュメモリ等の磁気媒体を許可なく、外部に持ち出
さないこと。また退職時にあたっても現状のまますべて
返却するとともに、そのコピー及び関係資料等も返還し、
一切保有しないこと」
「企業、又は企業内外に関係する者の名誉を傷つけたり、
信用を害したり、体面を汚すような誹謗、中傷といった
行為を行わないこと」
を明記し、違反した場合は、企業からの損害賠償を
受ける可能性があることを記載します。
また、顧客が人につくといわれる、サービス業
(例えば、美容室、エステ、整体、社会保険労務士や
税理士といった、いわゆる士業)でビジネスをされて
いらっしゃる方は、 上記の内容以外に、競合関係の
企業に一定期間の就職を禁止したり、顧客名簿の
持ち出し、引き抜き、勧誘行為を禁止する項目を
追加されることも少なくありません。
「いやいやここまで、伝えなくても・・」と思われる
経営者の方もいらっしゃるかと思います。
しかし、「ルール」というのは相手に伝えて、初めて
共通のルールになります。
あとあと「言わなくても分かっていると思っていたのに」と
いった思い違いやトラブルになることを未然に防ぐためには、
企業側が書面で、口頭で「伝える」という努力がとても大切に
なってくるのです。
御社ではすでに上記の対策を取られていますか?
もし取られていなければ早めの対応をお勧め致します。
もし社内規程や書式、マニュアル作りのご相談があれば、
プロセスコアへお気軽にご連絡ください。
お読み頂き、誠にありがとうございました。