どちらが良い?業務委託契約と労働契約
労働契約では、「社員」が企業の指揮監督の基に働き、 労働の対価として給与を受け取ります。
一方、業務委託契約では、「個人事業主」や「企業」が 企業から業務の委託を受け、受託者の裁量に基づき業務を遂行するもので一般的に遂行した分の手数料を受け取ります。
業務委託契約により業務を委託した企業側のメリットとしてよく知られているのは、労働基準法を中心とした、労働に関する法律の適用を受けないこと、労災、雇用保険、健康・厚生年金保険といった社会保険の適用を受けないことがあげられます。
分かりやすく例を上げるならば、、、
業務委託契約者に対しては、
・労働時間に関する規制もなく、業務遂行に長時間要したとしても割増賃金を支払う必要がない
・仕事をした時間に対して最低賃金を支払う必要がない
・有給休暇を付与する必要もない
・委託契約を解除したとしても不当解雇として訴えられることがない
・社会保険料が適用除外されるので保険料の負担が発生しない
そして一番のメリットは何といっても次の点です。
・人件費を業務委託費に置き換えられるので、売上高の増減に費用を連動させることが可能
しかし、業務委託契約が労働契約より必ずメリットが多いのかというと一概にはいえません。
上記に述べた企業側のメリットは、視点を変えれば受託を受ける側のデメリットとなります。業務契約の受託者からデメリットを補うだけの報酬を求められる可能性があります。専門性が高く継続性が見込まれる業務を委託する場合、かえって労働契約にかかる人件費よりコストが増える可能性があるのです。
また、業務委託契約の受託者には諾否の自由が求められますので、かならず業務の委託を受けてもらえる保障はありません。(次回のブログで説明致します。)
社内組織に業務を遂行することで培われていくノウハウ、経験が蓄積しないといったデメリットもあります。
では、労働契約と業務委託契約をどう使い分けていくのか?
その方法として、仕事の棚卸を行い、次の3つの種類に分けてもっとも適した雇用形態を考えていくことです。
一般的な例をご紹介すると、
1. 核になる業務
・・・人材育成を図りながら長期にわたって貢献を期待する業務は正社員としての労働契約
2. 経験や専門知識がないとうまくできない専門業務、社内ですぐに即戦力社員を育成することが困難な業務
・・・HP制作会社や社会保険労務士、税理士との業務委託契約・・・宣伝も兼ねて(笑)
3. 誰にでもできる定型業務
・・・社員やパート社員としての労働契約、業務委託契約
4. 臨時・変動性のある業務
・・・契約社員、派遣社員の活用、業務委託契約
実際には、企業の財務状況や人的資源、伸ばしていきたい強みやカバーしたい弱みに着目して個別に具体的に検討していく必要があります。
この記事を読まれて、労働契約を業務委託契約に切り替えるにはどうすれば良い?という疑問を持たれた方もいらっしゃるかと思います。
契約書の表題を業務委託契約に変えれば済む問題かというとそうではありません。「一定の要件」を満たす必要がございます。
そのことに関しては、次の記事でご説明致します。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。