「助成金検索ツールのご紹介と最低賃金額の改定答申」及び労務に関する最近の動きについて
おはようございます。
社会保険労務士事務所プロセスコアの木下です。
つい最近まで最高気温を記録していた暑さから一転、ここ数日そよめく風の中にも、秋の気配が感じられる頃となりました。
今回のメールマガジンは、助成金の検索ツールのご紹介と最低賃金の改定額のお知らせです。
まず、助成金の検索ツールについてです。
厚生労働省の雇用関係助成金は多くの種類があり、自社でどのような助成金が活用できるのか分かりづらいかと思います。
そこで、厚生労働省がこの度公開した「検索ツール」をご紹介致します。
このツールは「取組内容」または「対象者」から、活用できそうな助成金を探すことができます。
「雇用関係助成金検索ツール」へこちらから
↓↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/index_00007.html
御社で活用できそうな助成金について、詳しい内容をお知りになりたい場合は、弊所までご相談下さい。
次に、「最近の動き」の中から、最低賃金引上げについて具体的な金額をお知らせ致します。
先日、全都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました。今後、各都道府県の労働局での審議・決定が行われ、10月より適用となる予定です。
九州においては、下記の金額となる見込みです。
福岡県 841円
福岡以外の県 790円
今年も大幅な引き上げとなりますので、企業にとってはさらなる負担増が見込まれます。
業務の効率化による生産性の向上への取り組みが、今後益々重要なってくると思われます。
「全国都道府県の地域別最低賃金 答申状況」は以下のリンクよりご確認頂けます。
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全国都道府県の地域別最低賃金 答申状況
○●○最近の動き(Topics)━━━━●○●
直近1ヶ月から2ヶ月の労働行政の動きや新聞記事を纏めたものです。
今後の人事・労務関連の次の一手を打つための情報として、是非ご一読下さい。
1. 氷河期世代の就職支援、研修業者に成功報酬(8月15日)
2. マイナンバーカード「保険証」登録でポイント付与を検討(8月14日)
3. 国民年金3年ぶり赤字(8月10日)
4. 法令違反5,160カ所 技能実習の環境改善にむけ対策強化(8月9日)
5. 副業の労働時間通算見直し(8月9日)
6. 外国人留学生に違法長時間労働~介護施設に是正監督(8月6日)
7. 製造業の下請けいじめ是正に(8月6日)
8. 「特定技能」96人が資格取得、44人が国内就労中(8月3日)
9. 最低賃金引上げで全国平均901円へ(8月1日)
10. 女性就業者数が3,000万人超に(7月30日)
11. 月内にも結論 2019年度最低賃金の見直し(7月23日)
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1. 氷河期世代の就職支援、研修業者に成功報酬(8月15日)
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政府は、氷河期世代の就職支援策として、研修業者が氷河期世代の非正規雇用者に半年程度の訓練や職業実習をした場合、国が最大20万円支給するとした。さらに受講者が正規雇用で半年定着した場合、追加で最大40万円を支給する成功報酬型の助成金を出す。
2. マイナンバーカード「保険証」登録でポイント付与を検討(8月14日)
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政府は、マイナンバーカードを健康保険証として登録した人を対象として、現金の代わりに利用できるポイントを付与する検討に入った。加算するポイントをどのぐらいにするかといった詳細は年内に詰める。2021年3月からマイナンバーカードを保険証として使えるようになるが、制度開始前の一定期間に登録した人を対象とする見込み。
3. 国民年金3年ぶり赤字(8月10日)
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厚生労働省は、公的年金の2018年度の収支決算を発表した。サラリーマンらが加入する厚生年金は2兆4,094億円の黒字、自営業者らが加入する国民年金は772億円の赤字だった。厚生年金の黒字は3年連続、国民年金の赤字は3年ぶり。赤字への転落は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による年金積立金の運用収益の伸びが鈍化したことが響いた。
4. 法令違反5,160カ所 技能実習の環境改善にむけ対策強化(8月9日)
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厚生労働省の発表によると、外国人技能実習生を受け入れている事業場での法令違反が2018年に5,160カ所見つかったことがわかった(前年比934カ所増)。違反内容としては、36協定を結ばずに違法な長時間労働をさせていた(1,711カ所)、安全に関する工事計画を定めていない(1,670カ所)、残業代の未払いなど(1,083カ所)が続いた。厚生労働省と法務省は、外国人技能実習生の就労改善をはかるため、悪質な仲介業者の排除や、悪質な事業主を監視するための調査要因を増やすなどの対策に乗り出すとしている。
5. 副業の労働時間通算見直し(8月9日)
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副業や兼業で働く人の労働時間をどう管理するかを議論してきた厚労省の有識者検討会が、報告書を公表した。事業主が健康確保に取り組むことを前提に、他の仕事の時間とは通算せず、企業ごとに上限規制を適用することなどが示された。労基法で法定労働時間を超えた場合は割増賃金を支払うことになっているが、この仕組みも見直す。今後本格的に議論される。
6. 外国人留学生に違法長時間労働~介護施設に是正監督(8月6日)
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外国人留学生に法定の労働時間の上限である週28時間を超えて働かせ、超過分(週10時間前後)を「ボランティア」と偽り、賃金を支払わなかったとして、今年3月、川崎市の介護施設に対し、労働基準監督署が労働基準法違反で是正勧告をしていたことがわかった。
留学生を支援するNPO法人「POSSE」(東京)によれば、「外国人留学生の知識のなさにつけこんで、企業と日本語学校が手を組み、留学生の長時間労働を強いている」ケースが蔓延しているとのこと。
7. 製造業の下請けいじめ是正に(8月6日)
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政府・中小企業庁は、自動車や機械などの製造業を対象に、下請けいじめの是正に向けた官民協議会を設置し、今秋までに望ましい取引規範をまとめる。まずは業界内での自主改善を促し、是正されない場合には下請取引のルールに関する基準を改定するなど、厳しく対処する方針。2019年に経済産業省と公正取引委員会が行った調査では、代金を一括払いしてもらえない、契約内容が曖昧なため金型の型枠の保管費用を負担させられるといった事例が多数報告されている。
8. 「特定技能」96人が資格取得、44人が国内就労中(8月3日)
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法務省は、7月末時点で、外国人労働者の受け入れ拡大伴い新設された資格「特定技能」の取得者が96人にのぼり、既に日本で働いている外国人が44人になったと発表した。これまで「介護」「宿泊」「外食」の技能試験が行われ、2,000人が合格している。合格者は、就業先が決まれば「特定技能」の申請が可能となる。
9. 最低賃金引上げで全国平均901円へ(8月1日)
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中央最低賃金審議会の小委員会は、2019年の最低賃金の引上げ額について、全国の加重平均を27円引き上げ、901円とする「目安」を決めた。全国平均が初めて900円を超えた。最も高い東京都は1,013円で、次に高い神奈川県は1,011円と初の1,000円超となる。一方で、17県は引き上げ後も700円台と、地域格差はさらに拡大する。
10. 女性就業者数が3,000万人超に(7月30日)
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総務省の調査によると、比較可能な1953年以降、女性の就業者数が初めて3,000万人を超えて過去最多を更新したことがわかった。男女合わせた就業者数は6,747万人で、全体の44.5%を女性就業者が占める結果となり、働き手の人数の男女差は縮まりつつある。
11. 月内にも結論 2019年度最低賃金の見直し(7月23日)
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2019年度の最低賃金の見直しについて、厚生労働省は月内にも結論を得る見通し。現状の874円(時給。全国加重平均)を3%以上引き上げるかどうかがポイントとなっている。3%の引き上げとなった場合は平均900円となる。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。