社長、契約書交わされていますか?(メルマガ配信記事より)
(最近、お客様より労働契約書についてのトラブルや
作成方法についてご相談をお受けする機会が多いため
過去に配信した、
「なぜ社員に労働契約書を渡す必要があるのか?」
というテーマのメールマガジンを掲載させて頂きました。
ぜひご一読ください!
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いつもお世話になっております。今回の経営者や人事担当者の方への
「労務管理や人材育成・ビジネススキルに関する1分セミナー」は、
「従業員を採用する際に契約書を交わさないと
こんな問題に発展する!」
という労務管理の基礎テーマです。
先日ある(サービス業)の経営者の方からこんなご相談を受けました。
「いつも人を雇い入れた時には労働条件通知書(労働条件の内容を記載した文書)
を渡していたけど1か月の短期契約で雇い入れることになった人に対して
対して契約期間が短いこともあり通知書を渡さなかった。」
「そして、口頭で「1ヶ月間の働きぶりを見て勤務態度・成績がよければ
契約を更新する」と話をしていた。」
「1ヶ月後、労働者の働きぶりが期待するほどのものではなかったので
契約の更新はしない(契約期間満了)と労働者に伝えたところ、労働者は
解雇されたので解雇予告手当(おおよそ1カ月分の給与相当額)を
支払うよう請求してきた。
解雇予告手当を支払わないといけないのか?(払いたくないのだが・・・)」
この問題の争点は、2点です。
この労働者の離職の理由が解雇(会社側からの解約意思表示)か
契約期間満了のどちらに該当するのか、それと口頭での契約は
認められるのかという点です。
解雇となるなら経営者の方が労働者に対して予告なしに
「明日から来なくていい!」といえば労働者に解雇予告手当を
払う義務が法的にあります。
そして労働者が労働条件通知書の交付を受けていないことを
労働基準監督署に相談にいけば法律違反として監督署の調査や
呼び出しを受ける可能性もあります。
それだけでなく、労働者が解雇に納得がいかないと裁判を起こした場合、
解雇は合理的な理由があることを会社側が立証できなければ慰謝料を
請求される可能性まで出てきます。
離職の理由が契約期間満了であれば、解雇予告手当を支払う必要もなく、
労働基準監督署から調査や呼び出しを受ける心配もなく、慰謝料を
請求されることもありません。
そこで問題となるのはこの契約を口頭でしていることです。
口頭なので契約期間を設けていたことを証明する証拠が明確にはないのです。
もし労働者が労働基準監督署へ行ったり、裁判を起こすようなことが
あれば会社側は弱い立場にあります。
つまり、解雇予告手当の支払+慰謝料の支払い+労働基準監督署等から
呼び出された場合の対応に追われる可能性が非常に高いのです。
契約書さえ交わしておけば起きない問題であり、経営者の方の貴重な
時間や労力を奪われることはないのです。
今回は契約期間ということでしたが、給与や労働時間や休日についても
書面を交付していないことを理由に労働者と争いになる可能性はあります。
契約は口頭(口約束)でも有効に成立します。
しかし、何かトラブルがあった時書面が活きてくるのです。
皆様の会社では労働者を雇入れる際には、
労働条件通知書を交付されているでしょうか?
もし、渡されていたとしても必ず、書面のタイトルを
「労働条件通知書兼労働契約書」に変更して、
労働者から契約内容を承諾したサイン(署名・押印)を
もらうようにしてください。