2024.02.15
組織づくり

中小企業で出来るハラスメント予防 3つの対策

中小企業で出来るハラスメント予防 3つの対策

いつもお世話になっております。社会保険労務士法人プロセスコアの山下です。

今回のコラムは職場のハラスメント(いじめ・いやがらせ)予防対策がテーマです。

というのも、一昨年辺りから企業内ハラスメントの予防研修の依頼を受ける頻度が増えてきており、地元の中小企業の経営者様や人事担当者様も身近な問題として捉えていらっしゃる方が多いのではないかと考えるからです。

そこで、ハラスメメントの発生状況と発生要因、中小企業において具体的に取り得る予防策について書かせて頂きました。
是非ご一読ください。

ハラスメントといっても職場内で起こるものは、異性間で起こるセクシャルハラスメントや優越的な立場を利用して起こるパワーハラスメント、社員同士の無視やいじめといったモラルハラスメント、妊娠・出産を理由に起こる嫌がらせといったマタニティハラスメントなど多岐に渡ります。

ハラスメントの発生状況
発生状況は下記のグラフをご覧ください。
個別労働紛争の相談案件別推移のデータに着目すると、他の相談案件に比べ、ハラスメントの発生頻度が多いことがわかります。

ハラスメントの発生要因

このようなハラスメント問題が起こる要因について、私が今までに頂いた労務相談の経験を基に分析すると、主に2つの要因が上げられます。

1.世代間での価値観のギャップがある

一概にはいえませんが、例えば現在40代以上の世代の人が育ってきた家庭環境、学校や企業では、親や先生、企業の上司・先輩との関係は、今の20~30代の若い世代と比べて上下関係が厳しく、上の人が下の人に高圧的であったり、また成果重視が強く厳しい要求を求められてきている人が多いため、そのような環境で育ってきていない若い世代の人からすると、40代以上の世代の価値観は受入れ難く、ハレーションをおこしてしまう傾向があります。

2.ハラスメントをしている人にハラスメントをしているという自覚がない

1.に関連することですが、自分たちの世代では当然だった、当たり前だったという認識ですので加害者自身に特段ハラスメントをしているという自覚がないということが問題を引き起こし、問題の影響の長期化をさせているように思います。

中小企業におけるハラスメント予防対策
では、中小企業がそのような問題を予防するため、どのような対策が有効でしょうか?
主な対策は3つです。

職場のハラスメント予防3つの対策
1.従業員への教育研修
2.相談窓口の設置
3.定期的なアンケート実施

1.従業員への教育研修

先程ハラスメントの要因で上げた世代間ギャップやハラスメントを行っている自覚がないことが大きな要因であることから、教育研修を通じて、ハラスメントの定義、事例、企業に与える影響について理解を深める研修を実施することをお勧めします。
また、管理職の方に対しては、実際にハラスメントが起こった場合の適切な対応策についての学習も重要です。

2.相談窓口の設置

ハラスメントが起きた時、誰に相談すればよいか明確に定めて、職場内で周知しておくことが必要です。
その際、相談窓口となる人は複数置きます。この人には相談しやすい、しづらいといったことが起こり得るためです。
さらに重要なのは、相談窓口への適切な人員の配置です。相談窓口には職場の多くの人から信頼され、相談があった時に相談者の話を否定せず、傾聴し、共感を示せる人が望ましいです。

3.定期的なアンケート実施

定期的な職場環境や労働条件の満足度、リクエスト調査と併せてハラスメントをここ1年で受けていないか、他の人が受けていないかといったアンケート項目を追加し、実施することをお勧めします。

今回のコラムは以上です。

ハラスメントはどこの職場でも、誰でも引き起こす可能性がある問題です。
例えば、自動車の免許更新の研修ではないですが定期的な学習の機会を設けることが予防効果を高めます。

弊所でも、企業向けのハラスメント予防研修をリアル・オンライン開催どちらも請け負っております。
必要な企業様がいらっしゃいましたら是非お問い合わせください。

ハラスメント研修の詳細・お申込はこちら
 https://process-core.com/seminar/harassment

お読み頂き、ありがとうございました。

〈この記事を書いた人〉
山下 謙治
Kenji Yamashita
社会保険労務士法人 プロセスコア 代表
日越協同組合 監事
社会保険労務士・行政書士・マイケルボルダック認定コーチ
日産鮎川義塾 師範代 九州本校 塾長

社会保険労務士として人事・労務の課題解決を通じて地元熊本を中心に中小企業の経営支援20年のキャリアを持つ。従来の社会保険労務士の業務だけでなく、管理職育成を中心とした教育研修事業や評価制度導入支援を行い、経営者が抱える、組織上の悩みや課題解決の支援を行っている。得意とする業務は、起業から5年目以降の発展期における組織強化・拡大期の採用・教育・評価・処遇といった人事制度づくりの支援。

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